1995 Fiscal Year Annual Research Report
胃腸管ペースメーカーの生理機能発現におけるc-kitチロシンキナーゼの役割
Project/Area Number |
06454163
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西 勝英 熊本大学, 医学部, 教授 (00040220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳冨 芳子 熊本大学, 医学部, 助手 (90253723)
徳冨 直史 熊本大学, 医学部, 助教授 (30227582)
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Keywords | 抗c-kitモノクローナル抗体(ACK2) / 胃平滑筋 / 細胞内Ca^<2+>濃度測定 / Ca^<2+>-activated K^+電流 / 膀胱平滑筋 / 自発性Ca^<2+>-activated K^+電流 / c-kit発現 / ryanodine感受性Ca^<2+>貯蔵部位 |
Research Abstract |
平成7年度の研究では、正常および抗c-kitモノクローナル抗体(ACK2)処置マウスの胃平滑筋、小腸平滑筋細胞の電気生理学てき特性の比較ならびに薬物に対する反応の差について検討を行った。ACK2処置マウスの胃平滑筋細胞では、スローウェブにスパイクが重なった活動電位が記録され、その発現様式には、正常マウスと顕著な差は認められなかった。しかし、少数例では、活動電位の消失を伴うものがあり、ACK2処置による個体間の差が見られた。組織学的検索により、胃平滑筋では胎生初期よりc-kit陽性細胞の発現が見られ、生後ACK2処理によってもこれらの細胞は消失しないことが判明した。これらの結果は、上部消化管では、胎生期にペースメーカーの役割を果たすc-kit陽性細胞がすでに発現していることを示し、小腸の下部消化管とは異なる発達を示すことが明らかとなった。ACK2処置マウス小腸では、アセチルコリンに対して、縦走筋は顕著な脱分極を示し、摘出標本における収縮力は増大と一致する結果が得られた。 一方、輪状筋は、弛緩反応を示し、過分極が観察されたが、正常群との間に差が認められなかった。以上の結果は、c-kit陽性細胞の欠落は縦走筋に対してより強い反応を示すものと考えられる。
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[Publications] Shigeko Torihashi.: "c-kit-depenpent development of intestitial cells and electrical activity in the murine gastrointestinal tract." Cell Tissue Res. 280. 97-111 (1995)
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[Publications] Naofumi Tokutomi.: "Rhythmic Cl^- current and physiological roles of the intestinal c-kit-positive cells." Pflugers Arch-Eur J.Physiol.431. 169-177 (1995)
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[Publications] Daisuke Sato.: "Impairment of c-kit-dependent development of interstititial cells alters contractile responses of the murine intestinal tract." Am.J.Phsiol. (Gastro-Lever-Ren). (in press).