1994 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖、細胞骨格の調節におけるアデニル酸シクラーゼ結合蛋白質の機能
Project/Area Number |
06454167
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
片岡 徹 神戸大学, 医学部, 教授 (40144472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅谷 研一 神戸大学, 医学部, 助手 (40263371)
片岡 有里子 神戸大学, 医学部, 助手 (50233739)
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Keywords | アデニル酸シクラーゼ / シクラーゼ結合蛋白質 / 出芽酵母 / アクチン結合蛋白質 / サイクリックAMP / Ras蛋白質 |
Research Abstract |
1.分子量7万の出芽酵母アデニル酸シクラーゼ結合蛋白質CAPについて、そのシクラーゼ結合部位をアミノ末端36アミノ酸残基の小領域にマップすることができた。シクラーゼのCAP結合部位もそのカルボキシル末端に近い118アミノ酸残基の小領域にマップできた。以上の結果より、シクラーゼとCAPの結合認識機構を一次構造から予測したところ、規則正しく配列しているロイシンの側鎖間結合に基づくCoiled-Coil相互作用が示唆された。実際、両蛋白質結合部位のいずれのロイシン残基にアミノ酸置換変異を導入しても結合が失われたので、この事が証明された。アミノ末端36アミノ酸残基のみで、CAPのRas蛋白質-シクラーゼ系に対する作用には十分であったことから、CAPはシクラーゼ自身に働いていると結論されたが、その活性型Ras特異的作用の機構についてはシクラーゼの燐酸化によるフィードバック機構と関連づけて解析中である。 2.CAPのカルボキシル末端領域の機能について、CAPがアクチンとほぼ定量的に結合していることを証明した。アクチン結合部位を93アミノ酸残基の小領域にマップし、その配列を今までに知られている他のアクチン結合蛋白質と比較したところ、CAPは全く新しい種類のアクチン結合蛋白質であることが判明した。 3.分子量5万のアデニル酸シクラーゼ結合蛋白質p50については、申請時点で同定していたリボゾーム蛋白質L3eは、特異的抗体を作製して解析したところp50の主要な構成要素ではないことが明らかになった。現在、p50を大量に精製しアミノ酸配列を決定中である。活性型Rasの作用を抑制する遺伝子として単離されたMSI1の蛋白質産物の予想分子量がp50と一致するので、この方向からも解析を進めている。
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[Publications] T.Minato et al.,: "Quantitative analysis of mutually competitive binding of human Raf-l and yeast adenylyl cyclase to Ras proteine" J.Biol.Chem.269. 20845-20851 (1994)
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[Publications] T.Masuda et al.,: "Protein kinase Byr2 is a target of Ras1 in the fission yeast Schizosaccharomyces pombe." J.Biol.Chem.270. 1979-1982 (1995)
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[Publications] Y.Yamawaki-Kataoka et al.,: "A novel candidate of Ras-target protein in Caenorhabditis elegans with homology to the actinsevering protein family" Mol.Cell.Biol.,. 15(発表予定). (1995)