1995 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖、細胞骨格の調節におけるアデニル酸シクラーゼ結合蛋白質の機能
Project/Area Number |
06454167
|
Research Institution | Kobe University School of Medicine |
Principal Investigator |
片岡 徹 神戸大学, 医学部, 教授 (40144472)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 有理子 神戸大学, 医学部, 助手 (50233739)
苅谷 研一 神戸大学, 医学部, 講師 (40263371)
|
Keywords | アデニル酸シクラーゼ / シクラーゼ結合蛋白質 / 出芽酵母 / Ras蛋白質 / サイクリックAMP / 翻訳後修飾 / アクチン結合蛋白質 |
Research Abstract |
昨年度の本研究で、分子量7万の出芽酵母アデニル酸シクラーゼ結合蛋白質CAPのアミノ末端36アミノ酸残基がアデニル酸シクラーゼのカルボキシ末端とcoiled-coil相互作用で結合することが、CAPのRas-cAMP系に対する機能に必要十分であることを示した。本年度は、CAPのシクラーゼ分子に対する分子作用機構を解明した。 先ずRas蛋白質によるアデニル酸シクラーゼの活性化に関して、Rasのカルボキシ末端の翻訳後脂質修飾(特にファルネシル化)が両者の結合親和力には影響ないが、活性化能力の発揮に必要であることを示した。アデニル酸シクラーゼを過剰発現し、CAPが不足した結果CAPが殆ど結合していないシクラーゼについて、その活性化におけるRasの翻訳後修飾の影響を調べたところ、修飾によるシクラーゼ活性化能力促進効果が消失していた。この系にCAPを過剰発現して、CAPを十分結合できるようになったアデニル酸シクラーゼでは、上記活性化促進効果が正常に回復していた。さらに、CAP結合能力を喪失したシクラーゼ変異体では、上記促進効果がCAP過剰発現下でも見られなかった。以上の結果から、CAPとシクラーゼとの結合がRas蛋白質の翻訳後修飾のシクラーゼ活性化促進効果を仲介すると結論し、CAPのRas-cAMP系における機能が説明できた。CAPカルボキシ末端部分の機能については、pyreneラベルしたアクチンを用いた測定により、アクチン単量体と結合しsequesteringすることにより、アクチン重合を阻害する活性を持つことを証明した。分子量5万のアデニル酸シクラーゼ結合蛋白質については、シクラーゼ複合体の精製方法を改良することにより、複合体の必須構成部分ではないことが判明したので、解析を行わなかった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] T. Masuda et al.: "Protein kinase Byr2 is a target of Ras1 in the fission yeast Schizosaccharomyces pombe." J. Biol. Chem.270. 1979-1982 (1995)
-
[Publications] K. Kariya et al.: "The novel Ras-binding protein Ach-1 is associated with centrosomes." Worm Breeder's Gazette. 14. 78-79 (1995)
-
[Publications] C. -D. Hu er al.: "Cystein-rich region of Raf-1 interacts with activator domain of post-translationally modified Ha-Ras." J. Biol. Chem.270. 30274-30277 (1995)
-
[Publications] T. Okada et al.: "Post-translational modification of H-Ras is required for activation of, but not for association with, B-Raf." J. Biol. Chem.271. 4671-4678 (1996)
-
[Publications] K. Akasaka et al.: "Differential structural requirements for interaction of Ras protein with its distinct downstream effectors." J. Biol. Chem.271. 5353-5360 (1996)
-
[Publications] 苅谷研一他: "出芽酵母のRAS" 実験医学(増刊). 12. 259-260 (1995)