1995 Fiscal Year Annual Research Report
生殖器におけるプロスタグランジンF2αの生理的役割とその制御機構の解明
Project/Area Number |
06454171
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 誠二 関西医科大学, 医学部, 教授 (80201325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 和一 大阪バイオサイエンス研究所第4研究部, 研究員 (90235169)
菅谷 純子 関西医科大学, 医学部, 講師 (30098131)
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Keywords | プロスタグランジンF_<2α> / 卵巣 / 黄体機能 / 受容体 / ゴプドトロピン / cAMP / 遺伝子 / PGF合成酵素 |
Research Abstract |
20数年来、プロスタグランジンF_<2α>(PGF_<2α>)が多くの動物種において卵巣の黄体退縮を引き起こすことがよく知られている。我々は、ウシPGF_<2α>受容体cDNAのクローニングに成功し、そのmRNAと受容体蛋白が発情周期の初期から妊娠中期まで黄体に特異的にかつ大量に発現していることを明らかにして、PGF_<2α>が黄体退縮だけでなく黄体機能に深く関与していることを示唆した。本年度はPGF_<2α>受容体の発現調節機構とPGの産生調節機構の解明を試み、以下の成果を得た。 1)マウスにゴナドトロピン(PMSG,hCG)やアデニル酸シクラーゼを直接活性化して細胞内cAMP濃度を上昇させるコレラ毒素を投与した後、1時間から黄体ホルモンであるプロゲステロンの血中濃度の上昇に伴って、PGF_<2α>受容体mRNAの発現が増加することをRNAブロットであきらかにした。PGF_<2α>受容体が黄体退縮期だけでなく種々の刺激によりcAMP系を介して速やかに産生される本研究の結果は、上記の黄体機能に関与していることを支持する結果を示した(論文投稿中)。次に2)PGF_<2α>受容体遺伝子の単離に成功して、30kb以上にわたる3つのエキソンからなり、5'上流域には種々の転写調節結合部位が認められることを明らかにした(論文投稿中)。 PGF_<2α>の産生調節機構を明らかにするために、3)マウス尿中のPGF_<2α>代謝産物を精製単離してその構造を質量分析計で同定し、妊娠末期にPGF_αの産生が上昇して陣痛発来、分娩にPGF_<2α>が関与していることを示した。4)PGF合成酵素の抗体を用いてイムノブロットを行い、酵素蛋白が妊娠末期に増加することから本酵素がPGF_<2α>の産生に関与していることを明らかにした(論文投稿中)。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sakamoto K., et al.: "Molecular cloning and expression of a cDNA of the bovine prostaglandin F_<2α> receptor." J. Biol. Chem.269. 3881-3886 (1994)
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[Publications] Ito S., et al.: "Prostaglandin F_<2α> receptor is coupled to Gq in cDNA-transfected Chinese hamster ovary cells." Biochem. Biophys. Res. Commun.200. 756-762 (1994)
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[Publications] Sakamoto K., et al.: "Characterization of mRNA expression of prostaglandin F_<2α> receptor in the bovine corpora lutea throughout the ostrous cycle and pregnancy." J. Reprod. Fertil.103. 99-105 (1995)
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[Publications] Sakamoto K., et al.: "Prostaglandin F_<2α> receptor." J. Lipid Med. Cell Signalling. 12. 405-411 (1995)
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[Publications] Sugatani, J., et al.: "High-density lipoprotein inhibits the synthesis of platelet-activating factor in human vascular endothelial cells." J. Lipid Med. Cell Signalling. 13. 73-88 (1996)