1994 Fiscal Year Annual Research Report
Eta-1によるTリンパ球反応の修飾と自己免疫疾患発症機序
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06454189
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上出 利光 北海道大学, 免疫科学研究所, 教授 (00160185)
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Keywords | Eta-1 / Tリンパ球 / 自己免疫 / サイトカイン |
Research Abstract |
Eta-1は活性化したT細胞により分泌されるサイトカインであり、しかも分子中にいわゆるRGD配列を有し細胞外マトリックスとしての性格も有する興味深い分子である。本年度は、(1)RT-PCR法にてマウスEta-1遺伝子をクローニングした。(2)次にEta-1の機能部位を明らかにするために、各種ミュータントを作製した。すなわちN末端半分とGSTとの融合蛋白とRGDを含まないC末端半分とGSTとの融合蛋白である。この融合蛋白は大腸菌で作製し糖鎖を有しない。(3)糖鎖がEta-1の機能に影響する事を考え、ヒト初乳よりEta-1を精製した。(4)マウスEta-1の塩基配列を参考にして約20個のアミノ酸を合成し、これをBSAとカップリングしてウサギを免疫し、Eta-1に対するポリクローナル抗体を作製した。(5)マウス線維芽細胞L929および高転移悪性黒色腫細胞B16-BL6を用いて、上記Eta-1との結合実験を行った。その結果次の様な新知見を得た。1)Eta-1分子内にはRGD配列以外に新たな細胞接着部位が存在する。2)この細胞接着部位は糖鎖を有しないEta-1でも存在しており、アミノ酸の一次構造によって決定されている。3)この細胞接着部位は従来よりEta-1の受容体として知られているαvβ3インテグリン分子とは異なる未知の受容体と結合する。4)この未知の受容体はL929細胞には存在しないが、B16-BL6細胞には存在する。5)この受容体は決して補助的な機能を担うのではなく、αvβ3が関与しない条件下でも、強い細胞接着と細胞伸展を媒介できる機能的受容体である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Mori,K.: "In vivo cytokine gene expression in various T cell subsets of the autoimmune MRL/Mp-lpr/lpr mouse." Autoimmunity. 17. 49-57 (1994)
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[Publications] Hirasawa,M.: "Integrin expression and ability to adhere to extracellular matrix proteins and endotherial cells in human lung cancerlines." Br.J.Cancer. 70. 466-473 (1994)
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[Publications] Kijimoto-Ochiai,S.: "Demonstration of the interaction between the CD23 molecule and the garatose residue of glycoproteins." Immunology Letters. 40. 49-53 (1994)
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[Publications] Kobayashi,M.: "Expression of adhesion molecule on human hematopoietic progenitor cells at different maturational stages." Stem Cells. 12. 316-321 (1994)
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[Publications] Katagiri,Y.: "Functional analysis of osteopontin molecule." Ann.N.Y.Acad.Sci.(in press).
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[Publications] 猪部 学: "細胞接着分子と細胞間相互作用" 臨床分子生物学. 特別号. 254-257 (1994)
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[Publications] 上出利光: "現代病理学大系6・免疫" 中山書店, 398 (1994)
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[Publications] 上出利光: "細胞接着分子" 中外医学社, 85 (1994)