1996 Fiscal Year Annual Research Report
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06454202
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大友 弘士 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80072916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 三郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10186934)
牧岡 朝夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90119850)
片倉 賢 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10130155)
渡辺 直煕 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (00057019)
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Keywords | 皮膚リーシュマニア症 / Leishmania amazonensis / 自然抵抗性 / 感染抵抗遺伝子 / 遺伝子マッピング / マウス / 免疫 / nerve growth factor |
Research Abstract |
本研究の目的は、Leishmania amazonensisを感染させたマウスモデルを用いて、自然抵抗性遺伝子の遺伝様式および遺伝子座を決定すること、ならびに感染の場としての皮膚におけるマクロファージの殺原虫活性とそれを調節する各種細胞とサイトカインの影響を免疫学的に解析することで、南米皮膚リーシュマニア症の発現機序を明らかにすることにある。マウスの感染抵抗遺伝子のマッピングに関しては、昨年度の研究成果をふまえて、(BALB/c x SJL/J)F1 x SJL/JのN2マウスにおける病変形成の有無とマウスの第2、3、5、6、7、9、10および17染色体との連関を検討した。解析の方法としては、マウス染色体上のマイクロサテライトDNAを標識DNAとしたが、現時点では感染抵抗遺伝子座の決定にはいたっていない。また、マウスの第1染色体上にあるBcg遺伝子との関連については、Bcg遺伝子コンジェニックマウスを用いてさらに検討した結果、L.amazonensis感染によるマウス皮膚リーシュマニア症の発症は、Bcg遺伝子によって規定されていないことが明らかとなった。一方、皮膚マクロファージの活性化に影響を与えるサイトカインについては、免疫組織学的およびin vitroの実験結果から、炎症反応において重要な役割を果たすことで知られるnerve growth factor(NGF)の関与が強く示唆された。しかし、L.amazonensis感染に対してきわめて強い抵抗性を示すSJL/Jマウスに、抗INF-γや抗IL-12単クロン抗体を投与した実験結果からは、これらのサイトカインが単独で本原虫感染に対する低抗性を支配している可能性は否定的であった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Saito,S.: "Eosinophil chemotactic activity in Leishmania amazonensis promastigotes." Parasitology Research. 82. 485-489 (1996)
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[Publications] Susaki,Y.: "Functional properties of murine macrophages promoted by nerve growth factor." Blood. 88. 4630-4637 (1996)
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[Publications] Hamada,A.: "Nerve growth factor enhances survival and cytotoxic activity of human eosinohils." British Journal of Heamotology. 93. 299-302 (1996)
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[Publications] 渡辺直煕: "寄生虫感染防御におけるIgE" アレルギー科. 1. 535-539 (1996)