1996 Fiscal Year Annual Research Report
可溶性スーパー抗原の作成とそれによる免疫寛容の機構の解明と臨床応用
Project/Area Number |
06454219
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Research Institution | Fukui Medical School |
Principal Investigator |
友成 久平 福井医科大学, 医学部, 教授 (20251986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
O.A Rosenwas 福井医科大学, 医学部, 教務職員 (90262641)
S.P Fairchil 福井医科大学, 医学部, 助手 (80262640)
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Keywords | Viral superantigens / mouse mammary tumor virus / the T cell repertoie |
Research Abstract |
1.Mouse mammary tumor provirus(Mtv)のsag遺伝子がコードするVβ4,Vβ8.2特異的内因性スーパー抗原の同定。 野生由来のspretusマウスには少なくとも11ケのMtv遺伝子がある。今までに多くのMtvが様々な特異性のあるスーパー抗原を産生することが知られている。しかし、Vβ4,Vβ8.2に対するものは見つかっていない(外因性ウイルスを除く)。このspretusマウスにこれらの特異性のあるスーパー抗原が発現されていることがわかり、その遺伝子の塩基配列と染色体上の位置の同定を行った。まず、他のMtvの影響を除くため、MtvをもたないCzechIIマウスに、バッククロスを3代あるいは4代くり返した。Vβ4特異的スーパー抗原をコードするsag遺伝子は2種あった。そのうちの1つの塩基配列はVβ3特異的スーパー抗原遺伝子のものと類似していたが、他のものは今までにみつかっているsag遺伝子との類似性は乏しかった。すべての染色体上約2cMの距離にあるmicro satellitesに対する様々のプライマーを用い、染色体上の位置と同定を行った。これらのsag遺伝子は第1,第6染色体上にあると考えられる。Vβ8.2特異的スーパー抗原をコードするsag遺伝子は2つあった。そのうちの一つの塩基配列は、今日までに見つかっているsag遺伝子のいずれとも類似性がなかった。もう一つのsag遺伝子の塩基配列を検索している。これら2つのsag遺伝子の染色体上の位置は現在決定中である。更に、Vβ4,Vβ8.2を発現するTハイブリドーマ細胞株を多数樹立した。上記sag遺伝子をB細胞腫瘍株にトランスフェクションし、これらのTハイブリドーマにより、これらのスーパー抗原の特異性を確認中である。この研究中、SJLマウスにあるMtv29sag遺伝子の作るスーパー抗原もVβ8.2に働くことがわかった。 2.可溶性スーパー抗原の作成とそれを用いた免疫反応の制御。 強力なT細胞活性能、ネガティブセレクション、anergyを引きおこすMtvスーパー抗原は膜貫通型細胞表面分子である。これを可溶型分子にすることにより免疫制御剤として使うことができる。我々は、インバリアント鎖、lgGとのfusion proteinを作製したが、スーパー抗原機能は全くなかった。この原因はMHCクラスII分子との結合力の弱さにあると考えられる。この弱点を補うため、最近、我々が発現したCD4欠損マウスの産生する可溶性CD4分子とのfusion proteinを作製している。この可溶性CD4分子はいくつかのCD4特異的抗体により認識されるから、本来のCD4分子と同様MHCクラスII分子のα2,β2ドメインとの結合能力があると考えられる。従って、このfusion proteinは機能すると考えられる。 3.Vβ10aに特異的モノクローナル抗体の作製 スーパー抗原はT細胞受容体Vβに特異的であるから、その作用を検出する手段として、Vβ特異的抗体によるVβレパトワの変化の解析が行われている。我々は昨年、Vβ8.3とVβ8.2/Vβ8.3に特異的な2種のモノクローナル抗体を樹立した。引き続き、本年度はVβaハプロタイプマウスのVβ10aに対するものを樹立した(論文投稿中)。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fairchild,S.P.et al.: "Localization of the mouse mammary tumor provirus,Mtv44,on chromosome11" Mammalian Genome. 6. 472-473 (1995)
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[Publications] Tomonari,K.: "Two Tcrb-V8.3 epitopes : one unique and the other shared by Tcrb-V8.2" Immunogenetics. 44. 73-75 (1996)
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[Publications] Asherson,G.L.et al.: "I-J revisited : Is the I-J genetic restriction in downregulation due to an endogenous superantigen analogous to mammary tumor virus (Mtv)-encoded endogenous superantigen ?" Folia Biologica(Praha). 40. 341-347 (1994)
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[Publications] Diei,F.et al.: "TCR Vα chain expression influeuces reactivity to the hapten TNP" International Immunology. 9. 1-8 (1997)
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[Publications] TOMONARI,K.: "Viral superantigens" CRC Press,Boca Raton,FL,USA, 255 (1997)