1994 Fiscal Year Annual Research Report
カドミウムおよび鉛による環境汚染に伴う我国の一般住民に対するリスクの評価
Project/Area Number |
06454228
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 正之 京都大学, 医学部, 教授 (00025579)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 弘 京都大学, 医学部, 助手 (90025643)
渡辺 孝男 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (20004608)
|
Keywords | カドミウム / 鉛 / 環境汚染 / 健康影響 / 曝露評価 |
Research Abstract |
平成6年12月に鹿児島県奄美大島笠利町および福島県塩川町の、また平成7年2月には石川県金沢市、鹿児島県姶良町および鹿児島県吹上町の調査を行い、それぞれの地域において24〜29名の成人女子(主として農家の主婦)から陰膳方式による24時間食事検体を末梢血および一次尿検体を得た。いずれの被験者も血液学検査および血清生化学検査により臨床的な貧血、肝・腎機能障害を有していないことを確認した。食物検体は栄養学的評価のために現地で食品成分ごとに秤量ののち、ブレンダーを用いて各一日量を混合・磨砕し、その一部を金属の遊出しないプラスチックス容器に採取して検体として可及的速やかに凍結保存した。金沢・姶良・吹上地区の検体については現在分析を進めている段階にあるが、笠利町および塩川町より得た検体についての予備的分析結果によれば、塩川町の食事検体の場合、カドミウムの一日に摂取量は58.4μg(1.87)[幾何平均(幾何標準偏差)]と日本国内他地域についての既報値よりも高値であり、血中カドミウム濃度も2.7ng/ml(1.97)と高値を示した。但し鉛の一日摂取量[18.0μg(2.62)]はやや高値であるが血中鉛濃度[23.7ng/ml(1.44)]は正常範囲内にあった。笠利町の場合にはカドミウム一日摂取量と血中鉛濃度はいずれも正常範囲、鉛の一日摂取量はやや高値ではあるが血中鉛濃度は他地域と著差を認めなかった。塩川町でのカドミウム負荷の当否とその原因について検討を進めている。
|