1994 Fiscal Year Annual Research Report
ウエイト・サイクリングと動脈硬化危険因子との関連についての研究
Project/Area Number |
06454238
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
下方 浩史 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (10226269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 正明 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (40173794)
早川 式彦 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (40022834)
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Keywords | ウエイト・サイクリング / 肥満 / 痩せ / 高血圧 / 高脂血症 / 糖尿病 / 動脈硬化 / 老化 |
Research Abstract |
ダイエットなどで大きな体重の増減を繰り返すことをウエイト・サイクリングというが、これが動脈硬化の危険因子に及ぼす影響について、検討を行った。対象は昭和52年より追跡調査を行っている男性工場従業員である。基礎データは毎年蓄積されるので、平成5年度のデータの入力を新たに行い、そのデータを加えた17年間の継続データについて解析した。今年度の研究対象者数は、糖尿病罹患者を除いた11,976名となった。追跡期間中の体重の平均変動幅と動脈硬化危険因子の相関について、年齢、BMI、体重の年間変化率で補正し検討した。また一回のウエイト・サイクリングの前後での危険因子の変動についても検討した。その結果、体重変動の大きさは拡張期血圧(p<0.05)、中性脂肪(p<0.01)、総コレステロール(p<0.01)、空腹時血糖(p<0.05)と有意に相関していることが示された。また、ウエイト・サイクリングの前後で、拡張期血圧、燐脂質、総コレステロール、尿酸が有意に高くなっていた。ウエイトサイクリングがこれらの危険因子に及ぼす影響は、年齢によって大きく異なり、35歳未満の若年者では血圧、血清脂質への影響が強かったが、50歳以上の者では動脈硬化危険因子へのウエイトサイクリングの影響はまったくみられなかった。体重変動の正常範囲は、血圧や血清脂質など検査項目によって異なるが、年平均4kgまでの体重変動ならばどの検査値に対しても影響は小さかった。心電図の虚血性変化の出現等とウエイト・サイクリングとの間には有意な関係は、今回得られなかった。
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[Publications] 葛谷文男: "老年者の痩せの基準" 老化と疾患. 8(7),(発表予定). (1995)
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[Publications] 下方浩史: "老年者のウエイトサイクリング現象" 老化と疾患. 8(7),(発表予定). (1995)
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[Publications] 下方浩史: "肥満と体脂肪の分布" 日本医事新報. 3654. 146-148 (1995)
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[Publications] 沖増哲: "公衆栄養学" 医歯薬出版(東京),(発行予定), (1995)