1995 Fiscal Year Annual Research Report
覚醒剤、コカイン等乱用薬物とアルコール併用の向精神作用に関する研究
Project/Area Number |
06454248
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
菱田 繁 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10068463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 忠昭 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80155209)
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Keywords | メタンフェタミン / コカイン / アルコール / 移所運動量 / ドーパミン / セロトニン |
Research Abstract |
メタンフェタミン(MAP)及びコカイン(COC)とアルコール(ALC)の併用による薬理作用を主としてラットの一般行動の変化をオープンフィールドを用いて比較検討した.また、MAPに対するALCの併用の影響につき、脳内神経伝達物質の動態変化を通じてその作用機序について考察した.実験方法は、ラットにMAPを4mg/kg、COCを40mg/kgALCは2g/kgをそれぞれ単独と、MAP+ALC及びCOC+ALCの組合せで腹腔内に投与し,投与後のラットの行動変化をオープンフィールドで観察するとともに、マイクロダイアリシス法にて、ラットの脳内線条体におけるドーパミン(DA)及びセロトニン(5HT)の変化を測定した.移所運動量では、全体的にMAP+ALC群が最高を示し、ついでMAP群、COC群の順であった. ALC群及びCOC+ALC群では移所運動量は少なかった.また、時間推移では、投与初期にはCOC群とMAP群とが高く、時間経過とともに漸減た.MAP+ALC群の移所運動量は投与経過からみて、初期時にMAP性の覚醒が抑制されたが、延引持続が持続的であった。また、極度の興奮、警成を意味するが立ち上がりや、薬物誘導性の異常反応としての常同行動の出現は、MAP単独の方が著しかった.また、脳内DAも5HTもMAP投与によって増大したがALC併用によって、DAの変化は緩和し、5HTは変動が助長された.この結果からMAPとALCとの作用が単純に拮抗するとは云えなく、むしろ相乗作用として働くことが示唆された、一方、COC+ALC群ではCOC性の興奮は拮抗されるだけでなく、ALC性の抑制作用が優勢となって作用した.
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