1995 Fiscal Year Annual Research Report
アンチセンスDNAの細胞内動態及び膜透過性に関する研究
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06454252
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
嶋田 甚五郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (50056701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 裕 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40010409)
東海林 洋子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (00235714)
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Keywords | アンチセンスDNA / S-オリゴ / FITC標識S-オリゴ / 拡散チャンバー |
Research Abstract |
これまで、in vitroの系にてフォスフォロチオエ-ト型アンチセンスDNA(S-オリゴ)の抗ヘルペス効果を検討してきた。単純ヘルペスI型(HSV-I)のimmediate early pre-mRNA4/5の3'スプライシング部位をターゲットとした時、最大の効果が得られることがわかった。ウサギ角膜にHSV-Iによる角膜炎を惹起させ、この配列を含有するアンチセンスS-オリゴのウイルスの生着阻止試験を行ったところ、0.1%でHSV-Iの生着は完全に阻止された。しかし、角膜へのデリバリー効果は十分とはいえず、デリバリー効果を増強する必要性があるものと思われた。そこで、角膜への透過性を増強することを検討した。 拡散チャンバーにウサギ角膜を装顛し、角膜透過実験のシステムを確立した。角膜透過実験に伴ない、non-RIによるS-オリゴの検出方法の探索を行った。non-RIによるS-オリゴの検出方法として、5'末端にFITCを導入し、蛍光として検出する方法と5'末端にビオチンを導入し、化学発光として検出する方法を検討した。FITC標識S-オリゴあるいはビオチン標識S-オリゴはDNA全自動合成機(394型、Applied Biosystem社)で合成し、HPLCにて精製し、使用時で-20℃にて保存した。FITC標識S-オリゴはHPLCにて>10pmolまでは検出可能であった。ビオチン標識S-オリゴはドットブロッティング装置にてナイロンメンブレンに吸着させた後、化学発光させた。検出感度は>100fmolであった。検出感度はビオチン標識オリゴの方が優れていたが、FITC標識S-オリゴはHPLC検出により代謝産物を検出できるメリットがあった。 角膜透過実験はウサギ角膜を拡散チャンバーに装顛し、ドナー側にFITC標識S-オリゴを1mg/ml加え、経時的にアクセプター側からサンプリングし、HPLCにて透過してきたFITC標識S-オリゴを測定した。4時間まで測定したが、アクセプター側には検出限界ぎりぎりで殆ど検出されなかった。また、代謝産物は検出されなかった。 今後は、検出限界をあげること、デリバリー効果を増強させるためのDDSを検討することが課題として残った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nobuya Tamura, Wakao Iwatani, Yoko Shoji, Jingoro Shimada, et al.: "Aptameric inhibition of in virto DNA polymerization by phosphorothioate oligonucleotides." Nucleic Acids Symposium Series.34. 93-94 (1995)
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[Publications] 東海林洋子、嶋田甚五郎: "オリゴヌクレオチドのDDS" 臨床薬理の進歩. 16. 9-19 (1995)
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[Publications] 東海林洋子、嶋田甚五郎、水島裕.: "アンチセンスDNAの細胞内分布に及ぼす要因" Drug Delivery System. 10. 85-90 (1995)
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[Publications] Hideki Nakashima, Yoko Shoji, Sang-Gum Kim, Jingoro Shimada, et al.: "Anti-human immunodeficiency virus type 1 activity of phosphorotohioate analogs of oligodeoxynucleotides: penetration and localization of oligodeoxynucleotides in HIV-1-infected MOLT-4 cells." Nucleic Acids Res.22. 5004-5010 (1994)
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[Publications] Nobuya Tamura, Wakao Iwatani, Jingoro Shimada, et al.: "Antiviral effects of phosphorothioate oligonucleotides complementary to 3' splice region of herpes simplex virus immediate early pre-mRNA5." Nucleic-Acids Symposium Series. 31. 73-74 (1994)
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[Publications] 東海林 洋子,道券 一浩,嶋田 甚五郎,水島 裕.: "チオール化アンチセンスDNAのCH^RC5細胞における取り込み機能と細胞内分布." Drug Delivery System. 9. 19-24 (1994)