1995 Fiscal Year Annual Research Report
慢性肺疾患患者における運動負荷中の筋肉の酸素化状態と筋肉代謝との関係
Project/Area Number |
06454275
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Research Institution | TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
沓澤 智子 東海大学, 医学部, 講師 (10183310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
灰田 宗孝 東海大学, 医学部, 講師 (20208408)
塩谷 壽美恵 東海大学, 医学部, 助教授 (20102840)
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Keywords | 筋肉代謝 / ヘモグロビン酸素化状態 / 慢性肺疾患患者 / up-磁気共鳴スペクトル / 近赤外分光法 |
Research Abstract |
^<31>P-MRSとNIRを同時に測定するために、NIRの送光用ライトガイドと受光用ライトガイドは、非磁性体のみで製作し、4cmの表面コイル内に埋め込み、運動筋の血液量の変化やヘモグロビンの酸素化状態の変化と筋肉のエネルギー代謝を同時に測定した。対象は、健常人7人、および慢性呼吸器疾患患者8人。運動負荷は、レバ-の先に重りを吊るし、レバ-を握ることによってこの重りを5cm持ち上げる運動を1分間に20回、3分間施工した。NIRの使用波長は、780,805,830nmで、その反射光の吸光度の変化から、酸化ヘモグロビン(oxy-Hb)、還元ヘモグロビン(deoxy-Hb)、総ヘモグロビン(total-Hb)の相対変化を計算した。組織の酸素抽出の程度を推定する1つの指標として、[Δ[deoxy-Hb]_t-Δ[deoxy-Hb]_<REST>]/[Δ[total-Hb]_t-Δ[total-Hb]_<REST>](t:運動開始後の時間、REST:安静時)を計算し、酸素抽出率とした。^<31>P-MRSに関しては今までの我々の報告通りに、患者群でPCrの低下とpHiの低下を示し、嫌希的解糖が動員されていることが示唆された。NIRでは、total-Hb,oxy-Hb,deoxy-Hbの変化のパターンには、健常人と患者群では大きな差は認められなかった。健常人では負荷が強くなると、酸素抽出率が増加し、酸素需要の増大を補っているが、患者群では、8人中4人で、組織が酸素不足で嫌気的代謝を始めているにもかかわらず、酸素抽出が増大しなかった。これは、酸素の供給が少ないために、嫌気的代謝が動員されるのではなく、筋肉そのものの代謝系が変化し、そのため組織で酸素を利用する能力が小さくなったことを示唆していると考えられた。
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[Publications] Kutsuzawa T, et al.: "Muscle energy metabolism and nutritional status in patients with chronic obstructive pulmonary disease." Am J Respir Crit Care Med. 152. 647-652 (1995)
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[Publications] 沓澤智子、他: "慢性呼吸器疾患患者における筋肉エネルギー代謝の検討:肺気腫および結核後遺症における検討。" 呼吸管理学会誌. 印刷中.
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[Publications] 沓澤智子、他: "慢性呼吸器疾患患者における筋肉代謝の経年変化。" 日本胸部疾患学会雑誌. 33. 90- (1995)
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[Publications] 沓澤智子、他: "近赤外分光法によるプロスポーツ選手の最大運動までの大腿四頭筋の酸素動態" 日本胸部疾患学会雑誌. 34(印刷中). (1996)