1996 Fiscal Year Annual Research Report
新しい降圧ペプチド“アドレノメデュリン"(AM)の基礎的および臨床的研究
Project/Area Number |
06454293
|
Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
江藤 胤尚 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (10038854)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 純一郎 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (30253818)
北村 和雄 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (50204912)
|
Keywords | 循環調節ペプチド / アドレノメデュリン / PAMP / 褐色細胞腫 / 心不全 / 腎不全 / 高血圧 / ラジオイムノアッセイ |
Research Abstract |
“アドレノメデュリン(AM)"はヒト褐色細胞腫抽出液より発見された強力な血管拡張性の降圧ペプチドである。AM前駆体は185個のアミノ酸よりなり、AM以外に、20個のアミノ酸よりなる全く新しい降圧ペプチド“PAMP"が生合成される。本年度は基礎的研究として、AMの慢性投与実験を行い、AMが生理的血中濃度のレベルで降圧およびレニン活性を抑制することを明らかにし、将来AMもしくはAM受容体作働薬やAM分解抑制剤が新しい薬物となりうる可能性が示せた。また、AMやPAMPの生合成・代謝をみる研究では、PAMPが心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)を分解する中性エンドペプチダーゼで速やかに分解されることを証明し、その分解部位も明らかにした。さらに、AMとPAMPが生体内の幅広い組織で生合成・分泌されていることが明らかになり、循環調節以外の多くのAMの作用が明らかになりつつある。AMの臨床的研究に関しては、ヒト血漿中AMとPAMP濃度を測定可能なラジオイムノアッセイを確立し、正常人の血漿中にAMとPAMPが循環していることを明らかにした。さらに、各種疾患における血中AMとPAMP濃度を検討したところ、心不全、腎不全、高血圧などの患者では血中AMと同様PAMPが重症度にしたがって増加していた。本研究で、AMとPAMPが循環調節に重要な機能をしている新しい循環調節ペプチドであることが判明し、今後ANPやエンドセリンに続く、新しい循環調節機構が明らかになってくるものと思われる。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Yamaguchi,T.: "Inhibition of aldosterone production by adrenomedullin,a hypotensive peptide,in the rat." Hypertension. 28. 308-314 (1996)
-
[Publications] Kato,J.: "Plasma adrenomedullin concentration in patients with heart failure." J.Clin.Endocrinol.Metab.81. 180-183 (1996)
-
[Publications] Eto,T.: "Plasma adrenomedullin and proadrenomedullin N-terminal 20 peptide in impaired renal function." Kidney Int.49. S-148-S-149 (1996)
-
[Publications] Kobayasi,K.: "Increased plasma adrenomedullin levels in chronic congestive heart failure." Am.Heart J.131. 994-008 (1996)
-
[Publications] Nagatomo,Y.: "Proadrenomedullin N-terminal 20 peptide is rapidly cleaved by neutral endopeptidase." Biochem.Biophys.Res.Commun.223. 539-543 (1996)
-
[Publications] Niina,H.: "Inhibition of catecholamine synthesis by proadrenomedullin N-terminal 20 peptide in cultured bovine adrenalmedullary cells." Eur.J.Pharmacol.286. 95-97 (1996)