1994 Fiscal Year Annual Research Report
小児 BCR/ABL急性白血病に関する総合的研究-診断法の確立と治療への応用ならびに白血病細胞のG-CSF反応性解析-
Project/Area Number |
06454297
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
中澤 眞平 山梨医科大学, 医学部, 教授 (90090034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 純 山梨医科大学, 医学部, 医員
斉藤 みどり 山梨医科大学, 医学部, 助手 (20170532)
杉田 完爾 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60138055)
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Keywords | 小児白血病 / BCR / ABL / G-CSF |
Research Abstract |
フィラデルフィア染色体(Ph1)陽性急性リンパ性白血病(ALL)では、BCR/ABL融合蛋白が生産されるが、Ph1染色体が検出されなくともBCR/ABL融合蛋白が産生されている症例(masked Ph1)も存在し、一括注目されている。我々が作製したKOR-SA3544という新しいモノクローナル抗体(3544mAb)は、BCR/ABL-ALLの95%以上に反応し、それ以外の白血病にほとんど反応しないことを見いだした。また我々は、anti-phosphotyrosine mAbを用いたウエスターンブロット法で迅速かつ簡便にBCR/ABL融合蛋白を検出できる方法を確立した。本研究では、東京小児白血病治療研究グループ(TCCSG)に登録される初発ALL症例の膜マーカー解析を行い(一次スクリーニング)、3544mAbが反応陽性の場合はanti-phosphotyrosine mAbを用いてBCR/ABL融合蛋白を同定し(二次スクリーニング)、発症数日以内にBCR/ABL-ALLの診断を行う。 平成6年度のおいては、約120症例の一次スクリーニング13例の陽性例が見いだされ、二次スクリーニングでは10例が陽性であった。これらのBCR/ABL-ALLは強力な化学療法が施行され、全例が完全寛解に導入された。染色体分析の結果、5例はPh1染色体陽性のPh1-ALL、3症例はPh1染色体陰性のmasked Ph1-ALL、2例は良い分裂像が得られず判定不能であった。また、BCR/ABL-ALLから分離された芽球のG-CSFに対する反応性を検討したところ、8例でstimulation index 1.5以上であったため、化学療法後にG-CSFを使用しない方針とした。全例が完全寛解に導入できのは本スクニ-ニングの重要性と有用性を示していると考えられる。また、これら10例の長期予後は今のところ不明であるが、同種あるいは自家骨髄移植が計画されており、予後の改善が期待される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Murakami,T.: "Cytogenetic and immunogenotypic alteracions of blast crisis cells in chronic myelogeneous leukemia independently linked to immunophenotypic expression." Cancer Genet.Cytogenet.72. 48-54 (1994)
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[Publications] Shimaimoto.T.: "GATA-1,GATA-2,and stem cell leukemia gene expression acute myeloid leukemia." Leukemia. 8. 1176-1180 (1994)
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[Publications] Iwata,S.: "Heterogeneity of the breakpoint in the ABL gene in cases with BCR/ABK transcript" Leukemia. 8. 1696-1702 (1994)
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[Publications] Ohyashiki,K.: "EVI1 expression associated with a 3q26 anbomaly in a leukemic cell line derived from the blast crisis of chronic myeloid leukemia." Leukemia. 2169-2173 (1994)
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[Publications] Ohyashiki,K.: "Telomere shortening in leukemic cells in related to their genetic alteration but not replicative capability." Cancer Genet.Cytogenet.78. 64-67 (1994)
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[Publications] 杉田 完爾: "抗リン酸化チロシン抗体を用いたPh^1陽性急性リンパ性白血病の診断" 医学のあゆみ. 170. 966-968 (1994)