1994 Fiscal Year Annual Research Report
部位突然変異法を用いたアンジオテンシンリセプターの情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
06454298
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
大山 建司 山梨医科大学, 医学部・小児科, 助教授 (80051861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 友昭 山梨医科大学, 医学部, 医員
中込 美子 山梨医科大学, 医学部, 医員 (20198055)
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Keywords | アンジオテンシンII / アンジオテンシンII受容体 / losartan / G蛋白 / イノシトール3リン酸(IP_3) |
Research Abstract |
アンジオテンシンH(AII)がAII受容体(AT_1)とどの部位で結合しているかを明らかにすることは、AT_1結合阻害剤の開発に重要な情報を与え、AT_1阻害剤は新しい血圧降下剤となる可能性を秘めている。平成6年度は、AT_1の次構造のコンピューター解析により、4ケ所のリガンド結合部位を推測し、変異リセプターのリガンド結合能の変化から、結合部位を明らかにし、更にG蛋白共役部位についても検討した。本年度の研究は、ほぼ予定どおり達成された。AT_1に対するAIIの結合に関しては、Arg^<167>,Asp^<263>,Lys^<199>の3ケ所が重要な役割を果たしていることが確認された。特にArg167Alaの変異体ではAII、EXP985(Losartan誘導体)の結合能はいずれも完全に消失した。この結果は、現在合成されている非ペプチド性拮抗剤のうち、EXP985(Losartan誘導体)に関しては結合部位もAIIの結合部位と一部を共有していることを示している。 細胞内情報伝達系の検討では、CHO-K1細胞を用いたStable Expressionの系も確立し、野生型、変異型とも発現していることがフローサイトメトリーを用いて確認された。G蛋白共役部位の検討では、第2細胞内ループN-端側のAsp^<125>,Arg^<126>,Tyr^<127>をGly,Alaに置換した変異リセプターで、GTP効果、IP_3産生能の低下を認めている(遠心乾燥器はIP_3の抽出に用いている)。現在細胞内カルシウムの変動を検討中であるが、恐らくAsp^<125>,Arg^<126>,Tyr^<127>トリアスはG-蛋白共役部位として重要と考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Chaki Shigeyuki: "Role of Carboxyl tail of the rat angiotensin II type IA receptor in agonist-induced internaligation of the receptor" Kidney International. 46. 1492-1495 (1994)
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[Publications] Inagami Tadashi: "AngiotensinII receptors:Cloning,expression and studies on regulation." Cellular and Mollecular Biology of the Adrenal Cortex.222. 19-26 (1992)
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[Publications] Inagami Tadashi: "AngiotensinII receptors:Cloning,Structure,function and regulation" 日本腎臓学会雑誌. 35. 421-423 (1993)
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[Publications] 大山建司;: "部位突然変異法を用いたアンジオテンシン受容体typeIのG蛋白結合部位の検討" ホルモンと臨床. 41. 1047-1050 (1993)