1994 Fiscal Year Annual Research Report
気分安定薬の脳内ニューロペプチド及びカテコールアミン代謝に及ぼす影響
Project/Area Number |
06454330
|
Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
假屋 哲彦 山梨医科大学, 医学部, 教授 (60014023)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
跡部 勝 山梨医科大学, 医学部, 助手 (50252028)
久保田 正春 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60234499)
平野 雅巳 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80228808)
佐藤 佳夫 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40215869)
塩江 邦彦 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90215939)
|
Keywords | PNMT / α-2 / マイクロダイアリシス / MHPG |
Research Abstract |
ウイスター系雄性ラットを1週間ラット行動測定装置内で飼育した後、α-2受容体阻害薬であるヨヒンビン5mg/kg、PNMT阻害薬であるDCMB 50 mg/kgをラットに腹腔内投与し、引き起こされた多動状態を、対照として用いた末梢性PNMT阻害薬であるSKF29661 50mg/kg投与時と比較した.ヨヒンビン、DCMBによりSKF29661と比較して有意な多動状態が引き起こされた.また、ウイスター系雄性ラットの視床下部におけるMHPGをマイクロダイアリシス法を用いて測定し、ヨヒンビン5mg/kg、DCMB 50mg/kgを腹腔内投与した際の影響を SKF 29661 50mg/kg投与時と比較した.ヨヒンビン、DCMBにより、SKF29661と比較して、視床下部のMHPGの上昇を認めた.また、一般的にPNMT阻害薬はPNMT阻害作用とα-2受容体阻害作用の、両方を持つことが知られている.我々は、in vitroでα-2受容体阻害作用を持たないPNMT阻害薬であるCGS19281A 20mg/kgを同じくラットに投与し、視床下部におけるMHPGの測定を行った.CGS19281Aの投与により、SKF29661投与時と比較して、MHPGの上昇を認めた.このことより、中枢のPNMT阻害作用により、α-2受容体阻害作用を同じく、多動状態及び視床下部MHPGの上昇は引き起こされることが確認された.ヨヒンビン、DCMBにより引き起こされた多動状態に対するリチウム、カルバマゼピンの急性投与の影響については現在検討中である.また、視床下部組織中のニューロペプチドYの測定及びラット脳内α-2受容体最大結合数の変化についても現在検討中である.
|
-
[Publications] 假屋 哲彦: "rapid cyclerの薬物治療" 精神医学. 36. 37-41 (1994)
-
[Publications] 平野 雅巳: "抗躁薬(気分安定薬)" Clinical Neuroscience. 12. 56-58 (1994)
-
[Publications] 假屋 哲彦: "感情障害におけるα_2受容体を中心としたノルアドレナリン機能に関する臨床生化学的研究" 厚生省「感情障害の神経科学的成因及び治療に関する研究」班 平成5年度研究報告書. 33-36 (1994)
-
[Publications] Atobe,M.: "Effect of PNMT Inhibitor on theLocomotor Activity of Rats of Two Strains Each Having a Different Function of Central Alpha-2 Adreno-Ceptors" The Japanese Journal of Psychiatry and Neurology. 48. 712 (1994)
-
[Publications] 篠原 学: "躁うつ病の成因論" 日本臨床. 52. 1142-1146 (1994)
-
[Publications] 佐藤 佳夫: "リチウムの使い方(予防治療法を中心として)" カレントテラピー. (印刷中). (1995)
-
[Publications] Kariya,T.: "Affective Disorders-Perspectives Basic Research and Clinical Practice-" Seiwa Shoten & Brunner/Mazel, 147 (1993)
-
[Publications] 假屋 哲彦: "精神活動の流れを遡る-機能・構造物質-(早石、伊藤偏)" メディカル・ジャーナル社, 220 (1994)