1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454331
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西村 健 大阪大学, 医学部, 教授 (70028455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 雅俊 大阪大学, 医学部, 講師 (00179649)
播口 之朗 大阪大学, 医学部, 助教授 (10028459)
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Keywords | アルツハイマー病 / 動物モデル / バッフィーコート / ニューロフィラメント / リン酸化 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の病原に関しては、未だ推測の域を出ない。現在までのところ、遺伝、頭部外傷、金属中毒、免疫異常、感染などが考えられている。本研究では、アルツハイマー病の病原としての感染性要因の関与について、家族性、弧発性アルツハイマー病患者及び健常者から採取した血液バッフィーコートをハムスターの脳内に接種し、それに伴う神経病理学的変化について検討した。前年度の検討で、家族性、弧発性を問わずアルツハイマー病バッフィーコート接種脳では、リン酸化200Kニューロフィラメント抗体で染色される線維の増生が見られる膨化した神経細胞が認められることを報告した。今回は、このバッフィーコート接種ハムスターがアルツハイマー病モデル動物として妥当であるか見るため、前記の脳内病変と体重変動について検討した。リン酸化200Kニューロフィラメント抗体陽性の線維増生が陽性な群の個々のハムスターの体重を経時的に見ると、体重は接種後6カ月あたりから漸減傾向を認め、ペア-ドt検定において有意な体重減少が確認され、この脳内病変と体重減少に相関が考えられた。一方、陰性群の体重には著変は認めなかった。リン酸化ニューロフィラメント200K抗体陽性な線維増生はタウやユビキチンでも陽性で、アルツハイマー病脳に見られる病理学的変化と類似性があり、今回この線維増生と体重減少に相関が認められたことは、このハムスターがアルツハイマー病のモデルになりうると考えられた。今後、このハムスターで生じる変化を分子レベルで検討し、アルツハイマー病の原因について検討する予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] S.Tanimukai et al: "Buffy Coat from Sporadic and Familial Alzheimer's Disease Patients Induces Abnovmal Neurofilament Accumulation in Hamster Brain" Neurobiol.Aging. 15. 34- (1994)
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[Publications] M.Takeda et al Neurofilament Pathology in Alzheimer's disease: Neurobiol.Aging. 15. 139- (1994)
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[Publications] 武田雅俊ほか: "アルツハイマー病患者のバッフィコート接種により生じるハムスター脳内ニューロフィラメントの異常増生" 薬物精神行動. (印刷中). (1994)
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[Publications] 武田雅俊ほか: "細胞骨格蛋白から見たアルツハイマー病のモデル動物-バッフィーコート接種実験とリン酸化の異常" 薬物精神行動. 13(6). 407- (1993)
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[Publications] M.Takeda: "Animal models for neurodegeneration in Alzheimer's disease" Annal of Psychiatry. 4(in press). (1994)
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[Publications] M.Takeda: "Cytoskeletal Pathology of Alzheimer's Disease" Annal of Psychiatry. 5(in press).
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[Publications] M.Takeda et al: "Alzheimer's Disease:Therapeutic Strategies" Giacobini,Becker eds., (1994)
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[Publications] M.Takeda et al: "Proceedigs of the Fourth Inteational Conference on Alzheimer's Disease" K.Iqbal ed., (1994)