1996 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組み込み技術のハイブリッド型人工血管への応用に関する基礎研究
Project/Area Number |
06454361
|
Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
宮田 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70190791)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 紀 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40170724)
岩本 愛吉 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10133076)
|
Keywords | 遺伝子治療 / adenovirus / tissue plasminogen activator / thrombomodulin / ハイブリッド型人工血管 / 血管内皮細胞 / 小口径人工血管 |
Research Abstract |
(1)adenovirus vectorを用いたヒトtissue plasminogen activator(tPA)遺伝子導入内皮細胞でハイブリッド型人工血管を作成し、イヌ頚動脈に移植後、早期の内皮細胞のretention、tPA分泌能を測定した。移植後8時間の内皮細胞のtPA分泌能は保たれていたが、seedingした細胞の10-20%しか人工血管上に残存しなかった。これはtPA graft及びcontrolのLacZ graft共に差がなくtPAのprotease作用によるものではなかった。長期移植実験の為にはretentionをあげる工夫が必要である。人工血管をePTFEからDacronに変更したところin vitroでretentionの向上がみられるdataを得、in vivoでの検討を開始している。 (2)adenovirus vectorを用いたヒトthrombomodulin(TM)遺伝子導入内皮細胞でハイブリッド型人工血管を作成した。TM機能は種特異性がありヒトTMはイヌで効かなかった為実験動物をサルに変更して外腸骨静脈に移植した。1週間の移植期間ではTM graft、controlのLacZ graft共に開存した。組織学的検索ではTM graftの内腔の血栓付着量がLacZ graftに比較して少なくTM遺伝子導入に期待が持てた。adenovirus vectorによる導入遺伝子の発現は移植後1週間以降急激に低下する為、長期移植実験には次世代型adenovirus vectorの開発を待たねばならないが、TM遺伝子導入内皮細胞によるハイブリッド型人工血管開発のstrategyは期待がもてる。
|
Research Products
(1 results)