1996 Fiscal Year Annual Research Report
PI-PLCによるCEA遊出現象を応用した胃癌潜在性腹膜播種性転移検出法の開発
Project/Area Number |
06454363
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Research Institution | Gifu University School of Medicine |
Principal Investigator |
国枝 克行 岐阜大学, 医学部, 助手 (60186418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 雅彦 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (80283307)
梅本 敬夫 岐阜大学, 医学部・附属病院, 講師 (40223614)
杉山 保幸 岐阜大学, 医学部, 助手 (90211309)
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Keywords | 胃癌 / 腹膜播種 / PIPCL / CEA / 診断 |
Research Abstract |
目的:胃癌腹膜播種性転移早期診断法(PIPLC原法)のkit化を計った。 対象:胃癌手術症例53例 方法:開腹直後にダグラス窩及び左横隔膜下腔内に生食50mlを注入し、可及的に回収し内10mlをGRASS MIVROFIBRE FILTER(GMF)で濾過し、GMF上の細胞を0.1Mリン酸緩衝液で洗浄後、抗CEA抗体含有固相化フィルムに接触させ、PB10μ1 PIPLC0.05単位を添加したのち手術室内温蔵庫(37°C-40°C)で60分間反応させ発色させた。PIPLC非添加例との色調差を認めた場合を陽性と判断した(PIPLC-kit法)。洗浄液の残りは細胞診に供した。 基礎的検討:PIPLC-kitは胃癌培養細胞株KATO-3 5.0×10^3個、MKN-45 5.0×10^2個が検出可能であった。 臨床的検討と結語:胃癌手術症例53例をもちいた検討では30例がPIPLC-kit陽性であった。これを細胞診別にみると、細胞診陽性24例では全例がkit陽性であった。細胞診陰性29例では6例がkit陽性であったが,これらは全例広範T3症例あるいはN4症例であり、腹膜播種性転移高度危険群と考えられた。よってPIPLC-kitは潜在的腹膜播種診断法として有用であった。 特許の申請:CEA反応フィルムの上に直接癌細胞を接触させたのち、少量の溶媒下に強制的にCEAを癌細胞から遊離せしめて高濃度を得る方法を学内の所定の手続きに則り国有特許として申請を進めている。
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[Publications] 国枝克行: "切除可能胃癌症例予後予測法としての術前・後血清IAP測定の意義について" BIOTHERAPY. 6・5. 663-665 (1992)
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[Publications] 国枝克行: "胃癌患者における血清CA72-4の測定意義について-血清CEA,CA19-9との比較から-" 癌の臨床. 38・10. 1077-1082 (1992)
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[Publications] 国枝克行: "胃癌症例における術中腹腔内洗浄細胞診の評価-とくに漿膜面浸潤面積および漿膜面肉眼分類との関係-" 日本臨床外科医学会誌. 54・5. 1167-1172 (1993)
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[Publications] 杉山保幸: "再発・転移形式別にみた胃癌治療の工夫" 日本消化器外科学会誌. 27・10. 2293-2297 (1994)
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[Publications] 辻 恭嗣: "胃癌腹膜播種性転移早期診断法としてのPhospatidylinositol-phospholipase Cを用いたCEA抗原遊出法の有用性について" 日本消化器外科学会誌. 28・1. 104 (1995)
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[Publications] 国枝克行: "胃癌術前血清CEA値および組織CEA局在様式と予後との関連について" 日本消化器外科学会誌. 29・3. 677-683 (1996)