1995 Fiscal Year Annual Research Report
インシュリン遺伝子導入培養株化細胞を用いた人口β細胞に関する研究
Project/Area Number |
06454368
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
仁尾 義則 島根医科大学, 医学部, 助教授 (20208119)
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Keywords | 人工膵臓 / 糖尿病 / 遺伝子治療 / インシュリン / 細胞工学 / Diffusion chamber |
Research Abstract |
すでに、平成6年度に以下の結果が得られ、各種の学会で報告した. 1.ヒト正常膵部分よりRT-PCR法によりproinsulin遺伝子を増幅、分離、精製し、neomycin耐性遺伝子をもつeukaryoticexpression vectorに組み込み、CHO細胞株にカチオン性油脂法にて導入し、proinsulin遺伝子発現細胞株(CHO/I)をクローニングしたこと。 2.CHO/Iを継代培養し、培養液中にimmuno-reactive insulinの分泌を認めたこと。 平成7年度は、平成6年度の成果をもとに、CHO/I細胞株をDiffusion chamberに封入したhybrid型人工膵臓を開発し、90%膵切除にて作成した糖尿病ラットの腹腔内に移植し、以下の結果を得た。 1.microcarrier beads上でCHO/I細胞を大量培養し、0.2μmのmembrane filterを用いたdiffusion chamber中に封入し、人工膵臓を作成した。 2.このdiffusion chamberを90%膵切除にて作成した糖尿病ラットの腹腔内に移植した。 3.90%膵切除ラットでは通常空腹時血糖が300mg/dl以上となり、体重も減少するのに対し、空腹時血糖値の正常化をみ、また体重も順調に増加した。 以上、ヒトインシュリン遺伝子導入人工β細胞封入diffusion chamberを用いた人工膵臓のモデルを作成しえた。以上の結果は、第30回日本移植学会総会のシンポジウム『移植医療における細胞工学の応用』(1994.11.)、および第45回日本消化器外科学会総会ワークショップ10(2)『消化器外科領への分子生物学的アプローチ(治療)』(1995.2.)、第31回日本移植学会総会(京都)ワークショップ2「ラ島移植」(1995.9.)において報告した。
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