1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454369
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉町 圭蔵 九州大学, 医学部, 教授 (00038762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副島 雄二 九州大学, 医学部, 医員
西崎 隆 九州大学, 医学部, 助手 (70253416)
矢永 勝彦 九州大学, 医学部, 講師 (70220176)
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Keywords | 心停止ドナー / 肝臓移植 / 温虚血 |
Research Abstract |
[方法1]ラット肝移植モデルを用いて心停止ドナーに対するThromboxane A2合成阻害剤(OKY-046)投与の効果を検討した。肝温虚血60分前よりOKY-046 30mg/kg/hrを持続静注したのち30分の肝温虚血を負荷、肝を摘出しレシピエントに移植した。Control群には同量のVehicleを投与した。Control群とOKY-046投与群の1週間生存率、再灌流後2時間の胆汁産生量、再灌流10分の血清GOT、GPT、再灌流2時間後の血清および肝組織中のTXB2、6-keto-PGF1αを比較した。 [結果]1週間生存率はControl群が0%に対し、OKY-046投与群は44%と有意に改善した。再灌流2時間までの胆汁産生量はOKY-046投与群で有意に増加し、移植肝のViabilityの改善が認められた。また再灌流10分の血清GOT、GPTはOKY-046投与群で有意に低く、肝組織中6-keto-PGF1α/TXB2 はOKY-046投与群が有意に高く、虚血再灌流障害の改善効果が認められた。 [方法2]心停止ドナーからの摘出肝の評価のため、食用豚肝移植モデルにおいて保存液にEuro Collins液(保存時間は約4時間)を用いて実験群を次の2群に分けた。通常の肝移植群(コントロール群)とドナーを脱血させ心停止後にin situにて15分間温虚血を負荷した群(15分間温虚血群)で、血中のViability判定指標を用い肝細胞機能、内皮細胞機能をそれぞれ評価した。また生存率を比較した。 [結果]1週間生存率はコントロール群で50%、15分間温虚血群で20%であった。 [今後の方針]ラット肝移植モデルで有用性が確認されたOKY-046を大動物であるブタの心停止肝移植モデルに応用し、肝のViability判定指標の改善効果を検討する。
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