1994 Fiscal Year Annual Research Report
摘出肝の保存性向上のためのダブルバルーンによる初期酸素化冷却潅流法の評価
Project/Area Number |
06454374
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
柿田 章 北里大学, 医学部, 教授 (90109439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 潔 北里大学, 医学部, 助手 (10176472)
瀧島 常雅 北里大学, 医学部, 講師 (00154948)
高橋 毅 北里大学, 医学部, 講師 (70245405)
石田 和夫 北里大学, 医学部, 講師 (50168225)
佐藤 光史 北里大学, 医学部, 助教授 (40118815)
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Keywords | 摘出肝の保存 / 初期酸素化冷却潅流法 / ダブルバルーン / 脳死モデル |
Research Abstract |
1.脳死モデルの作成と肝に与える影響の検討 (1)家兎をもちい頭蓋内にバルーンを挿入しバルーン法にて実験的脳死モデルを作成した。脳波および脳血流量の消失の確認、クッシング徴候の出現などにて脳死判定をおこなった。脳死後の平均動脈圧は50mmHg前後を推移し、脳死後6時間まではこの低血圧状態が持続した。このことは脳死により低血圧状態になったものと考えられた。 (2)血液生化学的所見(GOT,GPT,ALP,T.Bilなど)では肝機能は脳死前と脳死後6時間までには有意な変化は認められなかった。なお、腎機能や膵機能にも変化はなかった。 (3)病理組織学的には光顕では肝組織の変化はなかった。電顕による脳死前と脳死後6時間の肝の形態学的な変化ではミトコンドリアの軽度変性が認められただけであった。 以上から脳死後6時間までの持続する低血圧状態においては肝のviabilityは保たれていたことが判明した。 これらの実験成績は第30回日本移植学会ならびに第22回膵移植研究会にて発表した。 更に脳死における内分泌学的変化について検索しその補充療法が肝保存におよぼす影響を検討中である。 2.初期酸素化冷却潅流法の開発 (1)家兎をもちいて経大動脈ダブルバルーン法による冷却潅流法の手技を確立した。 (2)初期酸素化方法の手技についても確立した。 (3)現在、上記(1).(2)の方法により家兎の肝臓を保存し、その保存肝のviabilityを機能的および形態学的な面から、経時的に検索しているところである。
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