1994 Fiscal Year Annual Research Report
Heat Shock Protein誘導、高酸素化の肝切除後障害軽減と修復促進-肝硬変合併肝癌の安全な手術法の開発-
Project/Area Number |
06454377
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
小山 研二 秋田大学, 医学部, 教授 (80004638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勤 秋田大学, 医学部, 助手 (90235367)
古屋 智規 秋田大学, 医学部, 助手 (60250891)
佐藤 泰彦 秋田大学, 医学部, 助手 (80235407)
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Keywords | 肝障害 / Heat Shock Protein / DNA損傷 / NICK / 阻血再潅流障害 |
Research Abstract |
本年度は、先ず基本的実験として種々の肝障害モデルにおける肝heat shock protein(Hsp)の動態を検索した。 次いで、正常肝、硬変肝(ラット)についてHsp72を誘導する至適条件の検討および、予めHsp72を誘導しておくことによるその後の肝血流遮断、再灌流障害の軽減効果を検討した。 1.肝障害によるHsp72の変動(ラット) 薬剤による急性肝壊死では極めて早期に核にHspは移行し、一旦消えて再生時期である72時間後に再び核に集積する。肝切除後の再生肝では6時間後から核に集積し、その後の再生を誘導するように考えられた。(免疫染色、イムノブロットによる) 2.Hspの正常肝、硬変肝における誘導状態 43℃の温水に全麻下でラットを15分間浸漬した後、経時的に肝のHspを免疫染色とイムノブロットで検索した。正常肝、硬変肝とも48時間後に最高に誘導された。 正常肝では均一に各肝細胞核にHspを認めたが、硬変肝では不均一で、核移行に著しいバラツキがあった。 3.Hsp誘導の肝障害軽減効果(ラット) 肝流入血行を60分間遮断した後再潅流し、その60分後に肝細胞核DNA損傷をin situ nick translation法で検索し、また、ミトコンドリア損傷をm-GOT値で測定した。 1)正常肝:対照肝では著しいDNA損傷が生じm-GOTも高値になるのに対し、Hsp誘導ラットでは有意にDNA損傷も軽度でm-GOTとも対照と同値であった。 2)硬変肝:正常肝みられた軽減効果はなかった。 硬変肝ではHspの誘導法や条件を更に検討する必要性が示された。
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[Publications] Andoh H: "Heat shock protein 70 in rat liver regeneration after hepatectomy" International Hepatology Communication. 2. 191-196 (1994)
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[Publications] Andoh H: "Heat shock protein 70 in rat liver with necrosis and regeneration induced by thioacetamide" J Gastroenterology. 29. 293-298 (1994)