1995 Fiscal Year Annual Research Report
Heat Shock Proteln誘導、高酸素化の肝切除後の障害軽減と修復促進 -肝硬変合併癌の安全な手術法の開発-
Project/Area Number |
06454377
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Research Institution | AKITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小山 研二 秋田大学, 医学部, 教授 (80004638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勤 秋田大学, 医学部, 助手 (90235367)
古屋 智規 秋田大学, 医学部, 助手 (60250891)
佐藤 泰彦 秋田大学, 医学部, 助手 (80235407)
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Keywords | 肝障害 / Heat Shock protein / DNA損傷 / NICK / 近赤外分光々光計 |
Research Abstract |
本年度は、Heat Shock protein(Hsp)の誘導条件の再検討,それによってもたらされる肝の傷害に対する抵抗性の増大および新たに肝血行遮断の肝障害への関与等を検討した。 1、Hspの誘導条件の再検討 (1)温度負荷の変化とHsp誘導状況:これまでは、15分1回の温度負荷であったので、今回30分1回、15分負荷後に24乃至48時間を経て30分などの温度負荷条件を変更した。その結果、30分負荷を最初に行うとそれだけで死亡することが多いが15分負荷後に30分負荷すると死亡せず、しかもHspの誘導は高度であった。また、初回と2回目の負荷との間隔を24時間と48時間について検討したことろ24時間の方の誘導が高度であった。 (2)Hsp誘導による肝に対する傷害の軽減効果:前年度はHsp73を予め誘導しておくと、肝血行遮断による肝細胞DNA損傷が保護されることを明らかにした。今回は、エンドトキシンやthioactamide(TAA)負荷に対して保護効果が有るか否かを,s-GOT,m-GOT,、生存率、肝組織所見などから検討した。その結果、15分温度負荷では保護作用があるが、15分と30分の2回負荷ではHspの誘導量は多いが保護作用はむしろ少ないことが判明した。 2、肝血行遮断と肝障害との関連 肝血行遮断による肝への影響を近赤外線分光光度計を用いて検討した。特に、肝流入血行のみの遮断と流入、流出血行両者の遮断の差異を明らかにし、それが肝静脈血によるものと推定した。さらに、肝静脈血の酸素化により障害の軽減することを明らかにし、この応用で肝保護が可能であると推定された。 これらの結果から、Hspの誘導と肝静脈血酸素化で肝保護が可能と思われた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Andoh H: "Heat shock protein 70 in rat liver regeneration after hepatectomy" International Hepatology Communication. 2. 191-196 (1994)
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[Publications] Andoh H: "Heat shock protein 70 in rat liver with necrosis and regeneration induced by thioacetamide" J Gastroenterology. 29. 293-298 (1994)