1994 Fiscal Year Annual Research Report
抗原認識と細胞接着を標的とした臓器移植における新しい拒絶反応抑制法の開発
Project/Area Number |
06454399
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
江口 昭治 新潟大学, 医学部, 教授 (90018367)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大関 一 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (70213717)
広野 達彦 新潟大学, 医学部, 助教授 (60092722)
|
Keywords | 臓器移植 / ラット異所性心移植モデル / ラット同所性腎移植モデル / 抗TCR抗体 / 抗CD2抗体 / 種特異的免疫寛容 / リンパ球増殖反応 |
Research Abstract |
ラットを用い手術用顕微鏡下で心臓、腎臓の移植を行い抗TCR抗体あるいは抗CD2抗体の投与により臓器の生着延長効果およびその作用機序について検討した。 1.ラットを用いた顕微鏡下移植手術および抗体投与による生着延長効果;BNラットをドナーに、LEWラットをレシピエントとして異所性(右頚部)心移植、及び同所生の腎移植モデルを作成した。抗TCR抗体(R73)の手術前投与により心移植片および腎移植片の長期生着(200日以上)がえられた。抗CD2抗体はOX-34とOX-54の2種類の抗体を使用した。OX-34の術前あるいは術後投与により心移植片の長期生着が得られたが、OX-54では生着延長効果は認めるが長期生着には至らなかった。抗TCR抗体および抗CD2抗体投与し長期に心臓が生着しているラットにドナー種あるいは他種のラット心臓を移植すると免疫抑制剤無しにドナー種の心臓のみ長期生着し、ドナー種特異的に免疫寛容状態となっていた。 2.抗TCR抗体および抗CD2抗体投与による免疫能の変化の解析;抗TCR抗体投与では投与後速やかに末梢リンパ臓器のT細胞数の軽度の減少と、TCRのmodulationを認め、投与後速やかに回復した。TCRのmodulation中はmitogenに対する反応は著しく抑制されMLR反応も抑制された。抗CD2抗体の投与では2種類の抗体とも末梢リンパ臓器のT細胞の著しい減少をみとめた。投与後のT細胞数は約4週前後かかって緩徐に回復した。OX-34を添加したTリンパ球の培養系でMLR反応が著明に抑制されたがOX-54ではMLR反応は抑制されず、このことが生着延長効果の差と関連すると推察された。 3.無治療拒絶群と抗体治療生着群のサイトカインの発現差異に関して現在PCRの手法を使って実験中である。
|
-
[Publications] 土田 正則ほか: "INDUCTION OF SPECIFIC UNRESPNSIVENESS TO CARDIAC ALLOGRAFTS BY SHORT-TERM ADMINISTRATION OF ANTI-T CELL RECEPTOR αβ ANTIBODY" TRANSPLANTATION. 57. 256-262 (1994)
-
[Publications] 平原 浩幸ほか: "LONG-TERM SURVIVAL OF CARDIAC ALLOGRAFTS IN RATS TREATED BEFORE AND AFTER SURGERY WITH MONOCLONAL ANTIBODY TO CD2." TRANSPLANTATION. 59. 85-90 (1995)