1996 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄空洞症の成因・治療に関する基礎的ならびに臨床的研究
Project/Area Number |
06454406
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Research Institution | University of Hokkaido |
Principal Investigator |
阿部 弘 北海道大学, 医学部, 教授 (80000983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛騨 一利 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (10238305)
岩崎 喜信 北海道大学, 医学部, 助教授 (00113522)
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Keywords | 脊髄空洞症 / キアリ奇形 |
Research Abstract |
脊髄空洞症は、以前は稀で治療も困難な疾患とみなされてきたが、近年の画像診断の進歩と顕微鏡下手術の発達により、この疾患が決して稀なものではなく、外科治療の対象となることがわかってきている。脊髄空洞症の発生病態に関しては種々の説が提唱されているが、今なお確立されていない。我々は現在までに140例を越える脊髄空洞症患者の外科治療を行い、その成因に関する臨床研究と手術方法の開発を行ってきた。 実験的研究としては、脊髄損傷後に発生する外傷性脊髄空洞症に関して、兎を使用した動物実験により、外傷後では損傷部の癒着性クモ膜炎による髄液の循環障害に加えて、脊髄自体の血流障害が加わって空洞が発生することを示した。しかしながら、最も頻度の高いキアリ奇形に伴う脊髄空洞症に関しては、空洞発生の機序については様々な仮説がたてられているものの、適切な実験モデルがなく、ラットを使用しバルーンカテーテルを用いてキアリ奇形での小脳扁桃の下垂と類似した状態を作成し組織を検討している。 臨床研究としてはpre-saturation bandによるcine-MRIを駆使することにより、非侵襲的に患者の髄液循環動態の定量的解析を行い、脊髄空洞症の病態に頭蓋頚椎移行部での髄液動態の異常が深く関与していることを明らかにした。また我々が、独自に開発した空洞-くも膜下腔シャント用チューブ(サッポロシャント)の使用に関してシャント不全を起こさぬような工夫を一層発展させた。又、キアリ奇形に合併した脊髄空洞症の疫学調査の継続を行い、難産、鉗子分娩の有無、新生児仮死、出産時損傷の頻度が脊髄空洞症の患者では有為に多いことを明らかにしている。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 黒田 敏 他: "Chiari奇形を合併した脊髄空洞症の髄液循環動態" 脳神経. 46(1). 59-64 (1994)
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[Publications] Kazutoshi Hida, et al: "Birth injury as a cause of syringomyelia" J Neurol Neurosurg Psychiatry. 57. 373-374 (1994)
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[Publications] Ki Hong Cho et al: "Experimental model of posttraumatic syringomyelia : the role of adhesive arachnoiditis in syrinx formation" J Neurosurgery. 80. 133-139 (1994)
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[Publications] 飛騨一利 他: "Chiari奇形を伴った脊髄空洞症患者の周産期疫学調査" 小児の神経. 19. 215-219 (1994)
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[Publications] 飛騨一利 他: "脊髄空洞症の病態および外科治療" NEUROSURGEONS. 13. 187-193 (1994)
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[Publications] 飛騨一利 他: "脊髄空洞症に対する外科治療-大後頭孔部減圧術と空洞-クモ膜下腔交通術-" Spinal Surgery. 8. 7-11 (1994)
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[Publications] K Hida, et al: "Post-traumatic syringomyelia" Neurosurgery. 35(5). 886-891 (1994)
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[Publications] K. Hida, et al: "Surgical treatment of syringomyelia-Comparison between FMD and S-S shunt-Neurosurgery" Neurosurgery. 37(4). 291-295 (1995)
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[Publications] 岩崎喜信 他: "Syringomyeliaの手術" 脳神経外科. 24(8). 709-716 (1996)
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[Publications] 飛騨一利 他: "最新脳神経外科学" 朝倉書店, 1200 (1996)