1994 Fiscal Year Annual Research Report
クモ膜下出血後の脳血管攣縮における血小板活性化因子(PAF)の関与
Project/Area Number |
06454412
|
Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高久 晃 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (70004984)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平島 豊 富山医科薬科大学, 付属病院, 講師 (30135016)
遠藤 俊郎 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (70125269)
|
Keywords | クモ膜下出血 / 脳血管攣縮 / 血小板活性化因子 / 組織化学 / 兎 |
Research Abstract |
クモ膜下出血(SAH)患者の髄液中のPAF濃度は発症後1週間後に最大となり、脳血管攣縮による脳梗塞を示す群でPAF濃度が高いこと、またPAF分解酵素であるPAF-acetylhydrolase活性がSAH後1週間後で逆に最小となることを報告した(J Neurosurg 80,1994)。また本年度の研究でSAH患者の血漿PAF濃度も発症1週間後に最大になることも判った(Acta Neurochir.1994)。SAH患者の脳脊髄液また血漿の結果からもPAFがSAH後の脳血管攣縮の病態に関与することが示唆された。 また家兎SAHモデルを用い、抗PAF剤(E5880)の静脈注入の効果を検討した。i)溶媒のみをDay3まで毎日静注する群、ii)E5880、0.1mg/kgを静注する群iii)E5880、0.5mg/kgを静注する群に分け神経学的グレード、脳底動脈の収縮、血漿トロンボキサンB_2(TXB_2)を検討した。また解剖脳の虚血病変の有無、脳底動脈のPAF染色を行った。i)群に比べii),iii)群で神経学グレードが良好で、脳底動脈の収縮も少なかった。また血漿TXB_2濃度はii),iii)群でi)群に比べ有意に低かった。解剖脳虚血病変もii),iii)で多く、脳底動脈のPAFは内皮および内皮下に存在し、i)群で最も強く染まり、ii)、iii)群でE5880の投与量に依存して染色性が減少した。今回の家兎を用いた実験で抗PAF剤(E5880)の経静脈投与がSAH後の脳血管攣縮発生の予防に有効なことがわかった。これらの結果は学会ですでに発表し、雑誌にも投稿中である(第53回日本脳神経外科学会総会、第6回日本脳循環代謝学会総会)。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Yutaka Hirashima: "Platelet-activating facter (PAF) concentration and PAF autylhydvolase activity in cevebrospinal fluid of patients with subavachnoid hemovrhage" J Neurosurg. 80. 31-36 (1994)
-
[Publications] Yutaka Hirashima: "Platelet-activating factor and antiphospholipid antibody in subarachnoid haemovrhage" Acta Neurochir(Wien). 128. 144-149 (1994)
-
[Publications] 平島 豊: "CVD GRAND ROUND SERIES VOL.1VASOSPASM GRAND ROUND" 浅野 孝雄, 192 (1994)