1995 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管攣縮発生機序の研究、特に収縮蛋白質および細胞骨格のリン酸化機構について
Project/Area Number |
06454424
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
谷 栄一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40068424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 伸卓 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90229766)
山浦 生也 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50239844)
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Keywords | 脳血管攣縮 / KCl / セロトニン / フォスファターゼ-1 / フォスファターゼ-2A |
Research Abstract |
脳血管攣縮モデルを家兎で作製。膜電位および受容器依存性脳血管収縮モデルは夫々40mM KClまたは0.1mMセロトニンを露出した家兎脳底動脈に投与して作製した。さらに、脳底動脈をmyofibril分画とcytosol分画に分離し、[^<32>P]フォスフォリラーゼaを基質としフォスファターゼ阻害剤であるオカダ酸の濃度を変え、各分画のフォスファターゼ-1と-2Aの活性を測定した。その結果myofibril分画のフォスファターゼ-1の平均活性は脳血管攣縮2日および4日群で有意に減少するのに対し、KClおよびセロトニン群では有意な変化が観察されなかった。cytosol分画のフォスファターゼ-2Aの平均活性は脳血管攣縮2日および4日群で有意に減少するのに対し、KClおよびセロトニン群では有意な変化はみられなかった。myofibril分画のフォスファターゼ-1はミオシン軽鎖およびカルポニンの脱リン酸化に関与し、cytosol分画のフォスファターゼ-2Aはカルポニンおよびカルデスモンの脱リン酸化に関与する。さらにカルポニンおよびカルデスモンはリン酸化により平滑筋収縮の抑制力が消失する。従って、脳血管攣縮時にみられる脳底動脈フォスファターゼ-1および-2Aの活性低下により、ミオシン軽鎖、カルポニン、カルデスモンの脱リン酸化がおこらず、平滑筋収縮が抑制されなくなっていることを示唆する。 平成7年度交付申請書に記載した脳血管細胞骨格のリン酸化については、現在実験継続中であり、平成8年度交付申請書に記載したフォスファターゼ活性の実験結果は上述の通りで、脳血管細胞骨格のリン酸化の結果については平成8年度研究実績報告書で報告する予定である。
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