1994 Fiscal Year Annual Research Report
移植筋再生過程における筋構成蛋白の変化に関する生化学的研究
Project/Area Number |
06454426
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川嶋 孝雄 東京大学, 医学部(病), 助手 (20214637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 康志 東京大学, 医学部(病), 教務職員 (60260494)
吉村 浩太郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (60210762)
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Keywords | 筋肉移植 / Microsurgery / 電気泳動 / Myosin Isoform |
Research Abstract |
ラットにおいて下肢のひらめ筋,長趾伸筋の運動神経を切断した脱神経モデル,同神経を切断後マイクロサージャリーにより再縫合したself-reinnervationモデル,両者の支配神経を入れ換えて縫合したcross-reinnervationモデル,ひらめ筋,長趾伸筋の腱を切断した低緊張モデルをそれぞれ50匹ずつ作製した.上記4種類のモデルを2,4,8,12,24週後に屠殺し,ひらめ筋,長趾伸筋を採取した.これらは凍結保存し,筋組織からミオシンを現在精製中である.今後これらの試料を用いてmRNAの分析をおこなう予定である. 顔面神経麻痺に対する血管柄付遊離筋移植手術をおこなった臨床例において,筋移植後の修正手術をおこなった際に生じた余剰な筋肉よりミオシンを精製し,ピロ燐酸ポリアクリルアミドゲル電気泳動法およびそのデンシトグラムよりミオシン・アイソフォームの分析をおこなった.これらの検索の結果,ヒトにおける血管柄付遊離筋肉移植の移植筋はラットcross-reinnervationモデルにおける長趾伸筋と類似したミオシン・アイソフォームの分布を示すという結果が現在得られつつある.すなわち,術後1年以降で手術からの経過時間とともに漸次SMが増加し,術後数年を経た長期経過例ではラットcross-reinnervationモデルにおけるひらめ筋と同じくSMの2層性のピークを示した.
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