1994 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞に対する機械的刺激の作用における転写因子EGR-1の役割
Project/Area Number |
06454427
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
緒方 敏子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80014314)
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Keywords | 骨芽細胞 / 機械的刺激 / EGR-1 |
Research Abstract |
(1)実験系の確立と機械的刺激によるegr-1誘導の確認。 間歇的空気加圧法によって、骨芽細胞様細胞株MC3T3E1細胞を刺激した。刺激後30分をピークとして、15分から45分にかけてegr-1mRNAが誘導されることを確認した。 (2)機械的刺激からegr-1誘導に至る経路を明かにするため各種阻害剤を前投与し、刺激によるegr-1誘導がブロックされるか否かを検討した。 インドメタシン(シクロオキシゲナーゼ阻害剤)、サララシン(アンジオテンシンIIアンタゴニスト)、Rp-cAMP(cAMPアンタゴニスト)、TPA長期処理(PKC枯渇化)、A23187(カルシウムイオノフオア)、コルヒチン(チュブリンの重合阻害剤)、サイトカラシンD(アクチンの重合阻害剤)等はegr-1遺伝子の発現を大きく変動させることはなかった。しかし、シクロヘキシミド(蛋白質合成阻害剤)、DRB(RNA合成阻害剤)、ジェニスタイン(チロシンキナーゼ阻害剤)、ハービマイシン(チロシンキナーゼ阻害剤)、BAPTA/AM(細胞内カルシウム阻害剤)は完全にegr-1の誘導を阻害した。 以上の結果はegr-1の誘導は転写で制御されていること、それには、新しい蛋白合成およびチロシンの燐酸化が必要であること、また、カルシウムがその反応に関与していることを示唆する。今後、チロシン燐酸化を蛋白のレベルで確認すると共に、その細胞内カルシウム濃度変化との関係を明かにすること、および、CATアッセイ法を用いてegr-1遺伝子上流にあると思われる機械的刺激応答領域を明らかにすることを考えている。
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