1994 Fiscal Year Annual Research Report
重症慢性関節リウマチの骨髄に見いだされた悪性腫瘍特異糖鎖膜抗原保有の異常な骨髄球系細胞の分化と機能の分子遺伝学的解明
Project/Area Number |
06454429
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
越智 隆弘 大阪大学, 医学部, 教授 (80112035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島岡 康則 大阪大学, 健康体育部, 助手 (00260638)
大脇 肇 大阪大学, 医学部, 助手 (60223872)
木村 友厚 大阪大学, 医学部, 講師 (80167379)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 悪性腫瘍 / 糖鎖抗原 / 骨髄球系細胞 |
Research Abstract |
今までRA病巣の研究対象としては滑膜に的を絞られて骨髄という考え方は無かったが、我々は手がかりの無い重症慢性関節リウマチ(RA)の原因究明の目的で罹患関節部骨髄を調べ、破壊の強い重症RAの骨髄内に、異常な骨髄球系細胞を見いだし、この骨髄球系細胞が悪性腫瘍特異糖鎖膜抗原を保有する(Ochi et al.1988)ことを明らかにした。他の関節疾患でも関節部骨髄中に骨髄球を認めることなは無く、極めて顕著な変化であった。 当初は異常な骨髄球系細胞は罹患関節部の骨髄に於て分化集積するのが重症RAの特徴と考えられていたが、この異常な骨髄球系細胞は腸骨に代表される全身性の造血系の骨髄に最大のプールがあり、ここでは一見正常の骨髄球から異常な骨髄球系細胞が盛んに分化する(Tomita et al.1994)ことがわかった。この骨髄球系細胞はin vitroでは通常培養困難であるが、重症な慢性関節リウマチ患者においては特異な接着分子とリガンドの存在のもとに関節部骨髄にホ-ミングして関節破壊に関与していると考えられた。最近、我々のグループは異常な骨髄球系細胞の維持、増殖を支持する間葉系細胞の樹立(Sakata et al.in submitting)に成功した。 現在、重症RAの発症の最大の鍵である、異常な骨髄球系細胞の発生を支持する間葉系細胞との相互作用をレセプター、接着分子、活性因子などに関わる遺伝子レベルより解明をすすめている。
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[Publications] Tanabe,M: "Remarkable Elevation of Interleukin 6 and Interleukin 8 Levels in the Bone Marrow Serum of Patients with Rheumatoid Arthritis" The Journal of Rheumatology. 21. 830-835 (1994)
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[Publications] Tomita,T: "Phenotypic Characteristics of Bone Marrow Cells in Patients with Rheumatoid Arthritis." The Journal of Rheumatology. 21. 1608-1614 (1994)