1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454430
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
越智 光夫 島根医科大学, 医学部, 教授 (70177244)
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Keywords | 脊髄前角細胞移植 / 筋内変性予防 / 筋変性 |
Research Abstract |
平成6年度に行った実験により脊髄前角細胞移植群では、4週、8週、24週の時点で前脛骨筋の筋質重量、単収縮力、強収縮力は、いずれの値もコントロール群に比し、大きい傾向にあり、筋湿重量の24週、単収縮力および強収縮力の4週にて統計学的有意差を認めた(P<0.05)しかし、組織学的にはいずれの週数においても筋肉内に移植した脊髄前角細胞の生存は確認できなかった。そこで本年度は移植した脊髄細胞が術後早期(術後1日〜1週間)にいかなる状態であるのか検討するべく、術後早期の組織学的検討を行った。筋肉内に同種移植された脊髄前角細胞は、術後早期より壊死に陥っており、その細胞生存は確認できなかった。組織学的検討では、移植された前角細胞は同種移植による免疫応答により拒絶されたのではなく、細胞周囲の環境が細胞生存に十分ではなかった事を示唆するものであった。したがって、筋肉内に移植された脊髄前角細胞の生存をいかに獲得するかが第一の問題点であると考え、現在神経再生力に優れた胎児脊髄の脱神経筋内移植を行い検討中である。将来的な臨床応用の可能性としては、脊髄前角細胞や胎児脊髄細胞の分離、培養による神経細胞の脱神経筋内移植を考えている。我が国では同種移植に関しては解決されなければならない問題点は多いが、基礎実験としての本研究は意義のあるものと思われる。今後さらなる検討を加え研究を進めていきたい。
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