1995 Fiscal Year Annual Research Report
虚血-再灌流による心筋細胞障害と細胞内カルシウム動態への麻酔薬の影響
Project/Area Number |
06454441
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
熊澤 光生 山梨医科大学, 医学部, 教授 (10092404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 明彦 山梨医科大学, 医学部, 講師 (90228338)
松岡 久訓 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00242652)
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Keywords | 虚血-再灌流障害 / 細胞内カルシウム濃度 / 静脈麻酔薬 |
Research Abstract |
今年度は静脈麻酔薬が虚血-再灌流にる心筋障害に与える影響を検討した。マウスの胎児心より培養心筋細胞を得、虚血による心筋細胞の障害過程を明らかにする目的で、まず過酸化水素存在下での障害における心筋細胞内カルシウム濃度の変化をカルシウム感受性蛍光色素を用いて検討した。カルシウム感受性蛍光色素Indo-1を培養心筋細胞に負荷したのち、上記の虚血-再灌流モデルにおける心筋細胞内のカルシウム濃度の変化を平成6年度購入の細胞内イオン測定装置(CAF-110、日本分光)で測定した。培養心筋は自動拍動するが、この装置では約100Hzの速度で蛍光強度を測定でき、拍動毎の細胞内カルシウム濃度の変化を観察可能であった。過酸化水素を投与すると心筋細胞内カルシウム濃度は徐々に増加し,高濃度では拍動は停止した。一方、静脈麻酔薬であるミダゾラムは過酸化水素存在下での心筋細胞内カルシウム濃度の上昇を抑制し、また心筋細胞内カルシウム蓄積を軽減する傾向があった。またプロポフォールは同様に過酸化水素存在下の心筋細胞内カルシウム濃度上昇を抑制する傾向があった。以上からミダゾラムとプロポフォールは何らかの機序により過酸化水素による心筋細胞内カルシウム濃度の上昇を抑制することが示唆された。細胞骨格と細胞膜構成蛋白への影響に関しては、十分検討できなかった。
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