1994 Fiscal Year Annual Research Report
重症呼吸不全に対する一酸化窒素吸入療法の安全な臨床応用法の確立
Project/Area Number |
06454446
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡元 和文 熊本大学, 医学部附属病院, 助教授 (60093994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木田 一朗 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60253746)
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Keywords | 呼吸不全 / 一酸化窒素 / 一酸化窒素吸入療法 / 肺高血圧 / 急性呼吸窮迫症候群 |
Research Abstract |
メイプルソンA,D,Fシステム下で総ガス流量を10l/分、吸入一酸化窒素(NO)濃度を0,4,8,12,16,19ppm,酸素濃度を21,40,60,80,100%としたときの二酸化窒素(NO_2)濃度の変化を窒素酸化物測定装置(サーモエレクトロン,モデル42)で検討した。統計処理には一元分散分析とボンヘロニ補正t-testを用いた。NO_2濃度はどのシステムでも吸入NO濃度または酸素濃度が高いほど高かった。従って、NO_2濃度はNO濃度19ppmで酸素濃度100%で最も高く、A,D,FでのNO_2の最大値は0.20±0.03,0.15±0.03,0.17±0.02ppmであった。メイプルソンAでのNO_2はD,Fよりも高く維持された。10l/分の定常流を用いたIMVシステム(ゼクリスト,モデルIV-100B)でもNO_2の値は吸入NO濃度が19ppmで酸素濃度100%で最も高く,最大値は0.10±0.02ppmであった。サーボベンチレータ900Cの低圧送気路から低常流とNOを投与し、成人用呼吸回路の吸気側にソーダライムを用いた場合はソーダライム前後でNO_2濃度の低下が観察された。NO_2の値は吸入NO濃度が19ppmで酸素濃度100%で最も高く最大値は0.26±0.06ppmであった。 重症呼吸不全14例に16ppm以下のNO吸入療法を施行した。14例中、間質性肺炎の2例と術後膿瘍のARDS1例を除いた11例にNO吸入により酸素化の改善と肺動脈圧の若干の低下傾向を認めた。動脈圧、心拍出量には影響を認めなかった。メトヘモグロビン血症は生じなかった。2ppm以下の微量のNO吸入でも酸素化は十分に改善した。しかし、NO吸入療法を施行した11例のうち救命できたのはわずか1例であった。NO吸入療法によると考えられる副作用は認めなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Okamoto K,et al: "Successful use of inhaled nitric oxide for treatment of severe hypoxemia in an infant with total anomalous pulmonray venws aeturn" Anesthesiology. 81. 256-259 (1994)
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[Publications] Okamoto K,et al: "Successful use of inhaled nitric oxide for pluere hypoxemia in an ofant with acrte exacerbation of bronchiolitis due to sepsis." J Aneoth. 9(in press). (1995)
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[Publications] 岡元和文,他: "重症呼吸不全に対するNO吸入療法" ICUとCCU. 18. 1065-1069 (1994)
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[Publications] 岡元和文,他: "呼吸不全におけるNO吸入療法とその意義" 集中治療. 6. 1271-1278 (1994)
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[Publications] 岡元和文: "ARDSに対するNO吸入療法とECLA" 医学のあゆみ. 172. 369-372 (1995)
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[Publications] 岡元和文(分担): "肺高血圧とNO吸入療法,「NOと病態-最新情報」" 中外医学社(印刷中), (1995)