1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454466
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
麻生 武志 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60093176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 寿宏 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80262179)
清水 康史 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80242197)
坂本 秀一 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90242198)
鎌田 周作 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (80169606)
久保田 俊郎 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (50126223)
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Keywords | 培養マウス胚盤胞 / 一次栄養膜細胞 / 外胎盤錐細胞 / 伸展・増殖・分化 / ヘパリン結合物質 / フィプロネクチン / 細胞外基質 / 細胞内pH |
Research Abstract |
本研究ではマウス胚盤胞の体外培養系を用い、基質タンパクおよび牛胎児血清中の物質が一次栄養膜細胞および外胎盤錐細胞の伸展・増殖・分化に及ぼす影響を定量的解析している。新たに得られた知見は、1.血清存在下にフィブロネクチン基質により胚盤胞から増殖が誘発される外胎盤錐様の細胞は、レクチン(DBA)、抗サイトケラチン抗体、抗ヴィメンチン抗体、抗カドヘリン(P型、E型)抗体などを用いた組織化学的検索により外胎盤錐細胞と同定される。 2.外胎盤錐細胞の増殖は、I型およびIV型コラーゲン基質上では誘発されず、ラミニン基質上ではまれに誘発されるのみであった。このことから、増殖の誘発作用はフィブロネクチン基質に特異的であると思われる。 3.外胎盤錐細胞の増殖は、血清中に含まれるフィブロネクチン、フィブロネクチン様の物質ないしはその他のヘパリン結合性の物質により抑制的に制御されている可能性がある。 4.培養早期(培養48時間後)に観察される一次栄養膜細胞の伸展・増殖は、血清中に含まれるヘパリン非結合性、WGA結合性の物質(分子量薬170kD)により誘発されている。 5.一次栄養膜細胞の増殖・分化の維持には、血清中に含まれるフィブロネクチンおよびラミニン以外のヘパリン結合性の物質(ヘパリン固定化カラムより0.1MNaCl/PBS溶液から溶出される分子量100kD以上と30kD以上の少なくとも2種類の物質が関与)が重要である。6.細胞内pH指示薬を取り込ませ共焦点レーザー顕微鏡にて観察した実験結果によれば、一次栄養膜細胞の急速な細胞質の伸展にはNa/Hexchagerが関与することが示唆される。等であるが、今後一次栄養膜細胞および外胎盤錐細胞の伸展・増殖・分化に作用する物質の同定が順調に進むものと期待され、着床初期の一連の現象の一部が明らかになるものと思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 己斐秀樹,麻生武志,他: "Effects of Matrix Proteins and Heparin-Binding Components in Fetal Bovine Serum upon the Proliferation of Ectoplacental Cone Cells in Mouse Blastocysts Cultured in Vitro" Biology of Reproduction (in press). 52. (1995)
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[Publications] 己斐秀樹,麻生武志,他: "Effects of Extracellular Matrix Proteins upon Proliferation of Ectoplacental Cone Cells of the Mouse Blastocyst Cultured in Vitro" Placenta. 15. A.39 (1994)
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[Publications] 己斐秀樹,麻生武志,他: "Effects of Heparin-Binding Substances in Fetal Bovine Serum upon Proliferation and Differentiation of Trophoblast Cells in the Mouse Blastocysts Cultured in Vitro" Placenta. 15. A.81 (1994)