1995 Fiscal Year Annual Research Report
各種発声法の生理学的検討及びその臨床応用に関する研究
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06454483
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Research Institution | RESEARCH INSTITUTE OF LOGOPEDICS AND PHONIATRICS FACULTY OF MEDICINE,THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
新美 成二 東京大学, 医学部・(医), 教授 (00010273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 浩一 東京大学, 医学部・(医), 助手 (60157857)
今泉 敏 東京大学, 医学部・(医), 助教授 (80122018)
桐谷 滋 東京大学, 医学部・(医), 教授 (90010032)
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Keywords | 言語情報 / 感情 / 歌唱法 / 電気グロットグラム / 声帯振動 / 音声治療 / Pushing method |
Research Abstract |
人の音声言語行動は言語情報の伝達のみならず感情や情緒、美的情報の伝達を行っていることは経験的に知られている。従来内省的に記述されているため表現法が発声者により異なり普遍的な議論が困難であった。近年情報科学の進歩と社会的な要求によって、感性情報の伝達についての研究はいくつか、行われている。しかしその生理的な研究はほとんど行われていない。本年度においては、感情の伝達方法の一つとして歌唱法を取り上げ、代表的な感情である、Happiness,Anger,Sadness,Fearを伝達するために無意味な旋律を単一の母音で歌った際に歌い手の意図が聴取者にどのようにつたわるかを検討した。その結果、聴取者の知識に依存する部分もあるが、ある程度音響的なレベルで意図が伝達されることが明らかとなった。伝達の程度とある種の音響的パラメーターの間には特定の関連が認められ、発声法の違いと感情表現には関係があることが示唆された。発声法を声帯振動の面から考察するために、電気グロットグラムを用いた。この方法は左右声帯間の電気的インピーダンスを計測する方法で、声帯の内転の程度を示すと考えられる。この方法を用いてもやはり発声法と音色、感情表現との相互の関連が認められた。 発声法の違いによる喉頭の動態の違いを積極的に治療に利用する音声治療についての生理学的研究をPushing methodについて行った。上肢の運動にともなった喉頭の動態を声門下圧の変動、電気グロットグラムの面から捕え、この音声治療が喉頭麻痺や各種声門閉鎖不全の治療に有効であることを示した。発声治療の生理学的裏付けとしては重要な知見である。今後の他の発声治療法についての研究が治療法の選択を有効に行うことにつながることが強く示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] S.Niimi: "Laryngeal gestures during air trapping" Ann.Bull.R.I.L.P. 29. 35-41 (1995)
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[Publications] 新美成二: "喉頭摘出者の発声治療" Clinical Neuroscience. 13. 214-216 (1995)
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[Publications] T.Kobayashi: "Botulinum toxin treatment for spasmodic dupphmia" Acta otolaryngol. 504. 155-157 (1994)
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[Publications] T.Sakata: "GRBAS enaluation of running speech and sustained phmation" Am.Bull.R.I.L.P.28. 51-56 (1994)
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[Publications] 藤森里香子: "いわゆる本態性音声振戦症の音声所見について" 音声言語医学. 36. 133-134 (1995)
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[Publications] 米川絋子: "ラインケ浮腫患者の音響分析による検討" 音声言語医学. 36. 136-137 (1995)
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[Publications] 新美成二: "声の検査法 基礎編" 医歯薬出版・東京, 226 (1995)
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[Publications] 新美成二: "耳鼻咽喉科・学校保健マニュアル" 診断と治療社, 283 (1995)