1994 Fiscal Year Annual Research Report
移植角膜拒絶反応におけるサイトカイン及び接着分子の役割に関する研究
Project/Area Number |
06454495
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水流 忠彦 東京大学, 医学部(病), 助教授 (90126128)
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Keywords | 角膜移植 / 拒絶反応 / 接着分子 / モノクローナル抗体 / マウス |
Research Abstract |
マウス全層角膜移植モデルは手術手技が困難であり、そのモデルの確立は角膜移植の免疫学的実験を今後進める上で極めて重要な意義をもつものと思われる。今年度の研究でマウスを実験対象に、眼科手術用顕微鏡を用い全層角膜移植モデルを確立した。直径2.0mm移植サイズで移植を実施した。isograft移植実験にはドナーおよびレシピエントをBALB/c(H2d)とし、allograft移植実験には、ドナーをC3H/He(H2k)、レシピエントをBALB/c(H2d)とした。Isograft群では全例が透明生着が得られたのに対し、allograft群では90%以上の確率で拒絶された。しかし、術前後にICAM-1およびLFA-1に対するモノクローナル抗体を注射することにより、allograft群でも有意に透明生着率が向上した。また、モノクローナル抗体注射により透明生着したallograft群に術後4週間目に反対眼にallograftを移植するチャレンジテストを行ったところ、最初のallograftと同じC3H/Heマウスの角膜は拒絶されなかったが、サードパーティのマウスからの移植片は拒絶された。従って、ICAM-1およびLFA-1に対するモノクロナール抗体の投与により、完全ではないが特異的な免疫学的寛容が成立していることが確認された。
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