1994 Fiscal Year Annual Research Report
落屑症候群の病因に関する病理学的および分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
06454498
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
猪俣 孟 九州大学, 医学部, 教授 (30038674)
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Keywords | 落屑症候群 / 落屑緑内障 / 落屑物質 / 線維柱帯 / 色素性緑内障 / 組織適合抗原(HLA) |
Research Abstract |
落屑症候群および落屑緑内障について臨床的および病理学的研究を行iい、下記の点を明らかにして報告した。 1. 落屑緑内障の病因に関する臨床的研究 1)落屑症候群の程度がより著しい眼とより軽い眼でフレア値に差があるか否かを検討した。落屑症候群の程度の著しい方の眼がそうでない他眼よりも有意にフレア値が高かった。 2. 落屑緑内障の病因に関する病理学的研究 1)虹彩の血管を病理学的に検討した。虹彩血管の周囲に落屑物質が沈着し、血管内皮細胞が著しく変性していた。虹彩血管内皮細胞の変性による房水蛋白濃度増加も眼内圧上昇に関係する。 2)緑内障をまだ発症していない落屑症候群の摘出眼球を用いて,前房隅角線維柱帯における色素沈着の病態を検討した。色素顆粒を貧食した線維柱細胞が変性し、線維柱層板が肥厚していた。このことから、落屑緑内障は一種の色素性緑内障で、線維柱細胞の変性または消失で線維柱層板が肥厚して房水流出抵抗が増大することが分かった。 3)落屑物質の組織化学的検討を行った。前眼部の落屑物質は主としてチン小帯を構成するマイクロフィブリルの変性によって生じ、プロテオグリカンを含んでいた。 3. 落屑症候群患者の疾患感受性に関する臨床的研究 1)落屑症候群患者の組織適合抗原(HLA)を調べた。落屑症候群患者のHLAはDR4およびDQ4をもつ割合が対照健常人に比較して有意に少なかった。また、健常人に比較してDRB1*0405、DQA1*03を保有する者が少ない傾向があった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 猪俣 孟: "落屑緑内障の臨床と病理" 臨床眼科. 48. 245-252 (1994)
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[Publications] Tawra A: "Distribution and charactarization of sulfated proteoglycans in the trabecular tissue of goniodysgenetic glaucoma." American Journal of Ophthalmology. 117. 741-755 (1994)
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[Publications] 久保田敏昭: "視神経乳頭の構築と緑内障性変化" 臨床眼科. 48. 1336-1337 (1994)
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[Publications] Mwinula JH: "Anteior chamber angle vascularization in Sturge-Weber syndrome.Report of a case." Graefe's Archives for Clinical and Experimental Ophthalmology. 232. 387-391 (1994)
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[Publications] 猪俣 孟: "落屑緑内障" 日本醫事新報. 3670. 25-29 (1994)
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[Publications] 猪俣 孟: "眼内血管新生の意義" あたらしい眼科. 12. 1-3 (1994)
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[Publications] 清沢玲子: "緑内障を発症していない落屑症候群の隅角の組織学的研究" あたらしい眼科. 11. 1927-1932 (1994)
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[Publications] 猪俣 孟: "落屑緑内障" 文光堂, 294 (1994)