1995 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-Iぶどう膜炎の発症機序に関する臨床的・基礎的研究
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06454501
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
望月 學 久留米大学, 医学部, 教授 (10010464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 公矯 久留米大学, 医学部, 教授 (20140650)
小野 綾子 久留米大学, 医学部, 助手 (30224265)
池田 英子 久留米大学, 医学部, 助手 (70222875)
吉村 浩一 久留米大学, 医学部, 講師 (30240352)
疋田 直文 久留米大学, 医学部, 講師 (80173152)
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Keywords | HTLV-Iぶどう膜炎 / RT-PCR / 定量的PCR / サイトカイン / virus load |
Research Abstract |
前年度の研究がHTLV-Iぶどう膜炎患者の眼局所および末梢血からT細胞クローン(TCC)を樹立し、このTCCを用いて眼局所浸出細胞にHTLV-Iウイルス遺伝子が発現し、ウイルス粒子が存在することを示した。さらに、局所由来HTLV-IプロウイルスDNA陽性TCCはIL-1α、IL-3、IL-6、TNF-α、IFN-γ、GM-CSFなどのサイトカインを産生することを明らかにした。しかし、これらのTCCは長期培養された細胞であり、患者眼局所の性質をそのまま保持しているかどうか不明である。したがって、本年度は患者眼局所から採取した新鮮試料を直ちにRT-PCR法により各種サイトカインの遺伝子発現を測定した。その結果、患者眼局所の浸出細胞はIL-6の遺伝子発現が高頻度に見られたが、他のサイトカインでは見られなかった。このことは眼局所において、サイトカイン抑制を機構が存在することを示された。 さらに、今年度はHTLV-I患者末梢血中のウイルス感染細胞の比率(virus load)を定量的PCR法にて検討した。virus loadは無症候キャリア0.54±1.11%、HTLV-Iぶどう膜炎3.84±4.45%、HAM患者11.63±7.67%であり、各群間に統計学的有為差を認めた。さらに、Graves病既往のあるHTLV-Iぶどう膜炎患者は既往のない患者に比べ、virus loadが有為に高かった。 以上により、virus loadが末梢血中で上昇することがHTLV-I関連疾患発症の要因となり、さらに甲状腺ホルモンはvirus loadが上昇する因子のひとつと考えられた。
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[Publications] Kazuhiro Masuoka: "Polyclonal use of T-cell receptor α for human T-cell lymphotropic virus type 1-infected T cells" Invest Ophthalmol Vis Sci. 36. 254-258 (1995)
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[Publications] Kimitaka Sagawa: "Immunopathogical mechanisms of human T-cell lymphotropic virus type 1 (HTLV-I) uveitis: detection of HTLV-I-infected T cells in the eye and their constitutive cytokine production" J Clin Invest. 95. 852-858 (1995)
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[Publications] Ayako Ono: "Increased number of circulating HTLV-1 infected cells in peripheral blood mononuclear cells of HTLV-1 uveitis patients: a quantitative polymerase chain reaction study" Br J Ophthalmol. 79. 270-276 (1995)
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[Publications] Manabu Mochizuki: "Human T-lymphotropic virus type 1 and its ocular manifestations" Int Ophthalmol Clin. 35. 107-120 (1995)