1995 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫の早期診断と病態解明に関するニューロペプチドY測定の意義
Project/Area Number |
06454503
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 富 東北大学, 医学部, 助教授 (40125638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 高行 東北大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00113910)
戸恒 和人 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10217515)
村上 治 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (00157744)
大井 龍司 東北大学, 医学部, 教授 (50004734)
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Keywords | 神経芽細胞腫 / 血漿NPY濃度 / 尿中NPY濃度 / 組織内NPY濃度 / 免疫組織化学染色 / Ki-67 |
Research Abstract |
これまで神経芽細胞腫(本症)患児の血漿NPY濃度について測定しNPYが本症の診断と予後判定に有効である事を報告した。今回さらに測定法を改革し、尿中NPY濃度を測定するとともに免疫組織化学染色によりNPYとKi-67の染色を行い比較検討を行ったのでこれまでの実績について報告する。 1)神経芽腫75例の血漿NPY濃度は2738.2pg/ml、他疾患63例(ウイルムス腫瘍8例、肝悪性腫瘍4例、軟部肉腫11例、胚細胞腫瘍10例、PNET2例、神経節腫6例、他の両性腫瘍7例、良性疾患15例)では421.6pg/mlであり有意に神経芽腫で高値を示した。神経芽腫ではマス陰性後発症群、病期進行群、LDH高値群、NSE高値群、島田分類unfavorable histology群、N-myc増幅群などの予後不良群で有意に高い血漿NPY濃度を示した。 2)NPYとKi-67の発現に関する免疫組織化学的検討:神経芽腫37例の組織標本Ki-67染色性は(-)21例、(+)5例、(2+)5例、(3+)6例で、(2+)、(3+)群では瀰慢性と局所性に染色される例があり、NPY陽性領域細胞群とKi-67陽性細胞群と明瞭に分画される群は予後良好で、分画不明瞭群は予後不良であった。 3)尿中NPY濃度の測定:本症17例について尿中NPY濃度を測定し血漿NPY濃度と比較した。17例の尿中NPY濃度は11.4〜844.6pg/mlで平均値122.8pg/mlであった。血漿NPY濃度との相関関係は認められず、クロマトグラフィーを用いたNPY分解産物の測定が必要であると考えている。 以上の結果から、予後不良の低分化系腫瘍では組織内で生産されたNPYは容易に血中、尿中に分泌されるものと思われる。
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