1994 Fiscal Year Annual Research Report
辺縁性歯周炎における歯根膜靱帯の破壊機序の解明に関する実験病理学的研究
Project/Area Number |
06454510
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊集院 直邦 大阪大学, 歯学部, 教授 (70028786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 俊郎 大阪大学, 歯学部, 助手 (40263298)
豊澤 悟 大阪大学, 歯学部, 助手 (30243249)
小川 裕三 大阪大学, 歯学部, 助教授 (10135725)
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Keywords | 内毒素 / 歯根膜 / 線維芽細胞 / コラーゲン原線維 / 貧食 / アルカリホスファターゼ / 組織培養 / 組織計測 |
Research Abstract |
辺縁性歯周炎による歯周組織破壊機序解明の為の研究の一端として、内毒素による歯根膜線維芽細胞のコラーゲン原線維貧食能亢進作用を、ラット歯根膜由来培養線維芽細胞株を用いたin vitroの実験系にて、光顕・電顕的観察を始め、免疫組織化学、組織化学、画像解析装置による形態計測法などにより総合的に究明を試みつつある。 まず、顎骨により抜去したラット臼歯歯根部より、おもに3種類の歯根膜由来継代可能な培養細胞株を得た。これらの細胞は短紡錘形ないし多角形をし、その多くがアルカリホスファターゼ陽性を示すと共に、免疫組織学的にビメンチン、ケラチン、オステオカルシンに陽性を示し、また、アリザリンレッドS染色により石灰化能を有することなどを明らかにし、本培養細胞が歯根膜線維芽細胞に特徴的な性状を有していることを証明した。また、ラット臼歯部より継代可能な歯肉由来線維芽細胞株の樹立を行い、これらの細胞がアルカリホスファターゼに陰性で、歯根膜由来培養細胞とは異なる性状を有することを見いだした。また、上記培養細胞を市販の3次元培養用件コラーゲンゲル中で立体培養し、電顕観察し、これら細胞によるコラーゲン原線維貧食像を観察した。しかしながら、本方法では培養線維芽細胞内に取り込まれるコラーゲン量が当初予測したほど著名ではなく、in vivoラットの尾部より採取し調製した生のコラーゲン線維束の利用や培養条件や方法の改良などを検討中である。また、購入後一部改良を加えていた画像処理装置のシステムソフトの使用が可能になり、電顕写真を用いた線維芽細胞によるコラーゲン原線維貧食能の測定および分析方法の確立を試みつつある。これら細胞のコラーゲン、コラゲナーゼ、lL1等の産生能についてさらに検討するとともに、本来の目的である、同培養系を用いたコラーゲン原線維の取り込みに及ぼす内毒素の影響についての検討に早急にとりかかるつもりである。
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