1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454517
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
北村 勝也 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (50047784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 和彦 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (00224056)
谷口 邦久 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (90105685)
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Keywords | 神経線維 / 歯の移動 / 歯根膜 / 歯槽骨 / 変性 / 再生 / 糖尿病 |
Research Abstract |
平成6年度は、矯正的歯の移動にともなう歯および歯周組織の組織学的変化と、その際におこる神経線維の分布の消長に関して、ラットを用いて実験的研究をおこなっており、予定通りに進行している。実験動物にはラットを用いて、健康動物(正常対照群)と、代表的な成人病の一つである糖尿病に罹患している動物(糖尿病群)とについて比較検索している。糖尿病ラットについてはインスリン依存性糖尿病類似の病態を示す自然発症糖尿病ラットを用いた。インスリン投与による血糖値コントロールを行った条件下で血糖値コントロール良好群と、血糖値コントロール不良群に分けて観察した。その結果、正常対照群では、圧迫側では硝子様変性部の発現が少なく、骨の吸収が良好で、牽引側では新生骨の添加が旺盛にみられ、歯肉や歯根膜の神経線維には、圧迫側で一部に変性、消失がおこるが、比較的速やかにほぼ正常の神経分布に回復していた。糖尿病群では、正常対照群に比べて、骨の吸収や添加などの改造機転が遅延しながら進行していた。しかし血糖値コントロール良好群と血糖値コントロール不良群においては、両者間に差がみられた。血糖値コントロール不良群では、骨の改造機転が著しく低下していた。神経線維には強い変化がおこり、変性、消失したものが多く、正常の神経分布には回復しなかった。血糖値コントロール良好群では、それらの変化が弱く、正常対照群と比べて骨の改造機転が若干遅延しながら進行していたが、神経線維の分布の消長は正常対照群に比較的類似していた。
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