1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454523
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 健二 九州大学, 歯学部, 教授 (40091326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 博 九州大学, 歯学部, 助手 (20155774)
堀 信顕 九州大学, 歯学部, 助教授 (60037520)
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Keywords | 歯周病原性菌 / Porphyromonas gingivalis / 病原因子 / Argingipain / 病原性システインプロテアーゼ / 遺伝子のクローニング / 蛋白質一次構造 / 機能と病態 |
Research Abstract |
歯周疾患の病原性因子の中では、歯肉縁下プラーク中に存在する嫌気性グラム陰性最近Porphyromonas gingivalisの産生する病原因子が最も重要であると考えられている。本研究ではP. gingivalisの産生する主要なプロテアーゼを分離精製し、それらの性状を解析するとともに、当該酵素の一次構造を明らかにすることを目的とした。また、当該酵素の生体防御系に対する障害活性の有無と障害機構の解析、および歯周疾患の臨床症状に伴う歯肉溝滲出液中の酵素量の動態と抗体価の測定などが併せて検討された。その結果、以下のようなことが明らかとなった。 (1)P. gingivalisの培養上清には主要なプロテアーゼとしてアルギニン残基とリジン残基にそれぞれ特異的なシステインプロテイナーゼ(Arg-gingipainおよびLys-gingipainと命名)が存在し、これまで多くの研究者によって報告されてきた本菌の産生するトリプシン様酵素といわれるものが、この両酵素によって表わされていることが判った。(2)両酵素のうち、Arg-gingipainが精製され、詳細な性状解析が行われた。本酵素はタイプIコラーゲンをはじめとする数多くの生体蛋白質に対して強い分解能を示した。(3)両酵素に遺伝子がクローニングされ構造解析が行われたた結果、両酵素の遺伝子産物はもとに4つの機能ドメイン(シグナルペプチド、N末端プロペプチド、プロテアーゼドメイン、C末端プロドメイン)から成っていることが明らかにされた。(4)Arg-gingipain遺伝子を完全に欠損させた変異体の作製に成功し、それらの性状を野生株と比較することによって、本酵素が生体防御系の破壊や歯周組織の直接破壊などにおいて中心的役割を果していることが明らかとなった。(5)歯周炎患者血清中には症状の応じてArg-gingipain対する抗体活性の上昇が見られ、本疾患に罹患していない乳幼児の血清中にはまったく認められなかった。(6)歯肉溝滲出液中のArg-gingipain量は臨床症状に相関して増大することが判明した。以上の結果から、少なくとも本菌の産生するArg-gingipainは重要な病原因子であることが明らかとなった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kunimatsu K., et al.: "Identification and possible function of cathepsin G in gingival crevicular fluid from chronic adult periodontitis patients and from experimental gingivitis subjects" J. Periodont. Res.30. 51-57 (1995)
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[Publications] Okamoto K., et al.: "Structural characterization of argingipain, a novel arginine-specific cysteine proteinase as a major periodontal pathogenic factor from Porphyromonas gingivalis" Arch. Biochem. Biophys.316. 917-925 (1995)
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[Publications] Nakayama K., et al.: "Construction and characterization of arginine-specific cysteine proteinase (Arg-gingipain)-deficient mutants of Porphyromonas gingivalis. Evidence for significant contribution of Arg-gingipain to virulence." J. Biol. Chem.270. 23619-23626 (1995)
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[Publications] Okamoto K., et al.: "Isolation and sequencing of two cDNA clones encoding rat spleen cathepsin E and analysis of the activation of purified procathepsin E" Arch. Biochem. Biophys.322. 103-111 (1995)
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[Publications] Yoshimine Y., et al.: "Specific immunocytochemical localization of cathepsin E at the ruffled border membrane of active osteoclasts" Cell Tissue Res.281. 85-91 (1995)
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[Publications] 山本健二: "歯周病原性プロテアーゼの機能と病態" 日本薬理学雑誌. 105. 345-355 (1995)
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[Publications] Yamamoto K.: "Aspartic Proteinases: Structure, Function, Biology, Biomedical Implication" Plenum Press(New York), 223-229 (1995)
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[Publications] Tsukuba T., et al.: "Aspartic Proteinases: Structure, Function, Biology, Biomedical Implication" Plenum Press(New York), 331-334 (1995)