1994 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化型及び脱リン化型ラットフェチュインの生理的役割の相違
Project/Area Number |
06454524
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大工原 恭 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (40028733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 修 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (70128445)
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Keywords | リン酸化型ラットフェチュイン / 脱リン酸化型ラットフェチュイン / 組換え体発現 / 昆虫細胞 |
Research Abstract |
ラットのフェチュインは、肝細胞ではリン酸化型として、骨芽細胞では脱リン酸化型として合成・分泌され、骨や象牙質の石灰化組織に細胞外基質として高濃度に蓄積しているシアロタンパクである。このリン酸化型及び脱リン酸化型ラットフェチュインの生理的な役割を検討するため、これらのフェチュインの組換え体を発現させることが、平成6年度の目的である。 組換え体の発現ベクターとして動物細胞に適したpMAMneoを選び、既に我々が得ているラットフェチュインのcDNAをこれに組み込むこととし、種々の方法を試みたが、成功には至らなかった。そこで組換え発現体が動物細胞と同様のプロセッシング(リン酸化、糖の付加など)を受け、しかも組換え体の収量が動物細胞の30倍以上とされている昆虫細胞を宿主とすることに変更し、昆虫細胞に適した発現ベクター(pBacPAK9)にラットフェチュインのcDNAを組み込むことを試みた。ラットフェチュインのcDNAはEcoR1で切り出されているため、pBacPAK9をEcoR1で切り出して組込ませたところ、正規の方向にラットフェチュインのcDNAを組込むことに成功した。現在、これを昆虫細胞Sf21にトランスフェクトさせ、増殖させているところであり、本年度(平成6年度)中に組換え体ラットフェチュインを得て、精製出来る予定である。また、上記で得たリン酸化型の組換え体を固定化アルカリフォスファターゼで脱リン酸化し、脱リン酸化型ラットフェチュインを得る計画である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ohnishi,T.: "Effects of cytokines and growth factors on phosphorylated fetuin biosynthesis by adult rat hepatocytes in primary culture." Biochem.Biophys.Res.Commun.200. 598-605 (1994)
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[Publications] Sakaguchi,H.: "Ultrastructural location of human hepatocyte growth factor in human liver" Hepatology. 19. 1157-1163 (1994)
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[Publications] Kawakami,S.: "Expression of hepatocyte growth factor in normal and carbon tetrachloride-treated monkeys." Hepatology. 20. 1225-1260 (1994)
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[Publications] Yamada,T.: "Immunohistochemistry with antibodies to hepatocyte growth factor and its receptor (c-Met) in human brain tissues." Brain Res.637. 308-312 (1994)
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[Publications] 大工原 恭: "ヒト肝細胞増殖因子の発現と臨床的意義" 日本臨床化学会雑誌. (印刷中). (1995)
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[Publications] 大工原 恭: "細胞増殖因子と疾患(黒木登志夫編),分担" メジカルレビュー社(印刷中), (1995)
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[Publications] 中村 修: "タンパク質化学 第5巻,血漿タンパク質(長沢滋治編),分担" 広川書店(印刷中), (1995)