1994 Fiscal Year Annual Research Report
低出力照射した光重合型コンポジットレジンからの未重合モノマーの溶出
Project/Area Number |
06454534
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 享 北海道大学, 歯学部, 助手 (90179771)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 俊彦 北海道大学, 歯学部・附属病院, 助手 (20261315)
吉村 学 北海道大学, 歯学部, 助手 (20191645)
|
Keywords | 低出力照射 / コンポジットレジン / 未重合モノマー / 窩壁適合性 / 内部硬さ |
Research Abstract |
市販光重合型コンポジットレジンを用い、低出力長時間光照射による象牙質窩洞における窩壁適合性および重合体の内部硬さ、圧縮強さについて検索がなされた。光重合型コンポジットレジンとして、徳山社製Tokuso Light BondとPalfique Estelite(以下TP)、3M社製ワンオール(以下OA)、松風社製IMPERVA BONDとLITE-FIL IIA(以下IL)を用いた。シェ-ドはTPがA3、OAとILがA2、A3を用いた。光照射には長田社製キュアトロンを改造し、出力を6Vから12Vまで調整可能にした試作光照射器を使用した。照射条件はTPでは12V・60s、9V・60sおよび9V・120sの3条件を、OAとILでは12V・60s、10V・120sおよび9V・120sの3条件を設定した。1.窩壁適合試験:ヒト抜去歯象牙質内に規格円柱窩洞を形成し上記のレジンを充填、各種条件で光照射しHANSENの方法に準じ最大ギャップ幅(GP μm)、ギャップ発現頻度(GP %)を計測しさらにMarginal Index(MI=MG×GP/100)を算出した。2.内部硬さ:各種条件で光照射した半円柱形のレジン試料を照射側から0.2mm間隔でヌープ硬さを測定した。3.圧縮強さ:各種条件で光照射した円柱のレジン試料について圧縮強さを測定した。TPにおいては、低出力照射(9V)では通常の出力(12V)に比べ窩壁適合性が向上し、照射時間を120sに長くするとある程度の深さまで通常出力と同程度の内部硬さが得られた。OA、ILについても低出力照射(9V、10V)の方が窩壁適合性の向上が認められ、内部硬さもTPと同様の結果が得られ、シェ-ドによる差もなかったが、ILのA3、9V・120Sのみ表層から低い内部硬さであった。圧縮強さについては大きな差は認められなかった。また、歯質との接着力、溶解性について現在検討されており、未重合モノマーの検出、測定は予備実験が進めらている。
|