1995 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織再生過程における歯根膜細胞機能の解析‐歯根膜細胞の分化機構の解明‐
Project/Area Number |
06454537
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三木 靖夫 大阪大学, 歯学部, 助教授 (80165993)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島袋 善夫 大阪大学, 歯学部, 助手 (50231361)
楠本 豊 大阪大学, 歯学部, 助手 (40252689)
島内 英俊 大阪大学, 歯学部・付属病院, 講師 (70187425)
|
Keywords | 歯周病 / 創傷治癒 / 組織再生 / 歯根膜細胞 / 細胞分化 / 細胞株 / bFGF / bFGFレセプター |
Research Abstract |
本年度は、昨年度樹立したマウス歯根膜細胞株:MPDL-22を用いて歯根膜細胞の細胞特性及びその分化過程の検討を行なった。その結果、MPDL-22は細胞外基質蛋白質であるタイプI、III、XIIコラーゲンの産生能を有すること、および線維芽細胞が形成する細胞タイプI、III、XIIコラーゲンの産生能を形成することが示された。これらのMPDL-22において産生が認められたコラーゲンは、歯根膜組織に認められる細胞外基質であることからMPDL-22が歯根膜細胞としての特性を保持している細胞株であることが示唆された。また、MPDL-22の分化過程の進行に伴って発現される各種細胞外基質蛋白質のmRNA発現の検討を行った結果によると、コラーゲン合成が結節形成期に活性化され、骨基質蛋白質であるオステオカルシン合成が石灰化物形成期に認められることが示された。以上の結果より、歯根膜細胞としての特性を保持するMPDL-22の分化過程にはコラーゲン合成能、オステオカルシン合成能が何らかのかたちで関与いる可能性が示唆された。また、昨年度の研究によりヒト歯根膜由来細胞の分化過程に関連性が認められたFGFレセプターに関する解析の結果によると、ケラチノサイトではFGFレセプター3が多く発現しているのに対してヒト歯根膜由来細胞においては、FGFレセプター1が多く発現されていることが明らかとなった。また、マウス歯根膜細胞株;MPDL-22においても分化過程の進行とFGFレセプター発現との関連性が確認された。今後の研究により、歯根膜細胞の分化過程におけるFGFレセプターのサブタイプ発現の果たす役割が明らかにされることが期待される。
|