1994 Fiscal Year Annual Research Report
光重合型コンポジットレジンの象牙質介在下における細胞毒性に関する研究
Project/Area Number |
06454539
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鳥居 光男 大阪大学, 歯学部, 助教授 (30116066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 若生 大阪大学, 歯学部, 助手 (00230649)
安永 哲也 大阪大学, 歯学部, 助手 (70182342)
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Keywords | 光重合型コンポジットレジン / 細胞毒性 / 象牙質 |
Research Abstract |
ヒト歯髄由来細胞の培養:ヒト左側下顎第三大臼歯(20才,女性)を抜去後直ちに割断し,歯髄組織を取り出した。10%FBSとペニシリンとストレプトマイシンを添加したDMEM培地中でこの組織を乾燥させないように約1mm角の細片とした.この細片をシャーレの底面に置き,上からカバーグラスで圧接し,DMEMを加えて37℃,5%CO_2インキュベータ-中で培養を行った,10日後に組織より外生してきた細胞を6代から8代継代して実験に供した. 象牙質ディスク上への細胞の培養:ヒト抜去大臼歯の歯冠部より歯軸と垂直に切り出した象牙質円板を新しく考案した細胞培養用バイアルに取り付け,その表面にヒト歯髄由来細胞を培養した。SEM観察により48時間培養によりconfluentなcell sheetが形成されているのが確認できた。 液体クロマトグラフによるモノマー過量の測定:硬化レジン(Silux plus)試料から厚さ0.5mmの象牙質円板を介して蒸留水中に溶出してきた,TEGDMAとBis-GMAの経時的濃度変化を高速液体クロマトグラフィーによって測定した。その結果TEGDMAはレジン充填硬化直後に多量に溶出するが、その後溶出はしだいに減少した.これに対し,Bis-GMAは充填硬化後7日目になって初めて溶出を認めた 光重合型コンポジットレジンの細胞毒性の評価:0.5mm厚の象牙質円板を介在した場合の光重合型コンポジットレジンの細胞毒性を[^3H]-TdRの取り込みを指標に経時的に調べたところ,充填硬化直後に強く,3日目で最も弱く,その後再び増強することがわかった。ゆえに,象牙質を介在させた場合の光重合型コンポジットレジンの細胞毒性には,充填直後には主にTEGDMAが,時間の経過と共にBis-GMAが関与していることが推測された。
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Research Products
(1 results)