1995 Fiscal Year Annual Research Report
局部義歯により咬合再構成された欠損歯列の長期維持法に関する研究
Project/Area Number |
06454557
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Research Institution | TOKYO DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
関根 弘 東京歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (10085714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 吉純 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (50207370)
嶋村 一郎 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (10170961)
岸 正孝 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085804)
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Keywords | 義歯装着高齢者 / 義歯表面滑沢材 / 一塊鋳造義歯 / チタン鋳造 / 寸法精度 |
Research Abstract |
まず、加齢に伴う口腔の形態・機能の変化によって、義歯の使用に種々の障害が表れるが、これらの対策として、高齢者に対しては、義歯の装着感を向上させることが重要な課題となる。そこで、義歯表面滑沢材を処方した場合に、義歯の装着感がどのように変化するか、また、口腔ケアにどのような影響を及ぼすかについて検討した。 調査対象は、東京都老人医療センターおよび東京都多摩老人医療センターの歯科口腔外科外来受診者および入院患者のなかから、本調査の同意が得られた34名である。これらの患者に「サリバデント」を処方した。患者は毎食前30分に義歯全面に本材を塗布し、通常の食事を行ない、食後の義歯清掃時に、義歯の汚れおよび汚れの除去のし安さを判定させた。その結果、本材の塗布により、乾燥感の減少を認めたものが70%に達したが、一方、味の不良が5%、臭いの不良が10%を示すのみであったこと、また、本材の塗布により、大部分の例において、義歯の汚れが低下し、しかも義歯の汚れの除去が容易となったこと等が認められた。なお、介護者にとっても要介護高齢者の口腔ケアに有効であるとの評価を得た。 ついで、義歯を含む修復材料には、微量ではあるが、金属元素の唾液への溶出が生じることが知られているので、溶出の起こらない金属の臨床応用が望まれている。そこで、生態親和性が高く、しかも金属元素の溶出が起こりにくいチタンの一塊鋳造法による局部義歯への応用の可能性を探るために、従来多用されている歯科用Co-Cr合金とチタンとの局部義歯フレームの鋳造性および寸法精度について検討を行った。その結果、チタン用いた一塊鋳造法による局部義歯のフレームについては、その鋳造性に関しては、ほぼ臨床的な要求を満たしていると判断されるが、寸法精度に関しては、Co-Cr合金のそれより若干劣ることが認められた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 渡辺郁馬、平野浩彦、佐藤雅志、岸 正孝、今村嘉宣: "義歯装着高齢者に対する義歯表面滑沢材「サリバデント」の有効性について" 歯科学報. 96(掲載予定). (1996)
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[Publications] 関根秀志、横田幸市朗、中島 暢、山倉大紀、嶋村一郎、安達 康、岸 正孝、関根 弘: "一塊鋳造法による局部義歯の寸法精度に関する実験的研究(第2報)" 歯科学報. 95. 291 (1995)
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[Publications] 関根秀志、坂本朋広、横田幸市朗、中島 暢、山倉大紀、嶋村一郎、安達 康、岸 正孝、関根 弘: "一塊鋳造法による局部義歯の寸法精度に関する実験的研究(第1報)" 歯科学報. 94. 566〜567 (1994)