1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06454568
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
大西 正俊 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50014139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 尚典 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00262676)
辻 政秀 山梨医科大学, 医学部, 助手 (70262665)
大月 佳代子 山梨医科大学, 医学部, 講師 (20185325)
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Keywords | 人工下顎頭 / 人工下顎窩 / 人工顎関節置換術 / チタン製下顎頭 / 変形性顎関節症 / 人工顎関節 / 顎関節機能 / 下顎運動 |
Research Abstract |
人工関節頭の設計、試作-人工関節頭は我々の現在までの臨床経験から、下顎頭を被覆するキャップ状のもので、外側上方部より斜め方向に骨髄ネジで固定するタイプのものとした。また材質は純チタンにより、鋳造操作で製作するよう発生、使用した。 動物実験による再建術の検討 上記の試作人工関節頭を用いた動物実験を日本猿の顎関節、各2関節について12か月および6か月を施行した。実験後の観察から被験サルはいずれも開閉口運動はスムースであり、手術前の開口域に達し、顎関節強直症等の症状は全くみられなかった。また固型試料の胆嚼に於ても、通常の機能を示し、人工関節頭が特に障害となっておらず、滑らかな運動機能を維持しているのが観察された。 しかしながら、人工関節頭の固定には骨髄ネジの形態についての考案が必要であることが、実験時の操作手技を通して明らかとなった。今後は動物実験試料の標本作製による人工関節頭置換部の組織学的所見から新たな知見が得られるものと考える。 臨床例における人工顎関節置換術 a.臨床適応例から、人工下顎窩および下顎頭置換術施行例について、その経過を検討した。その結果、人工下顎窩については可及的に平坦な面で構成された構造であること、下顎頭の前方滑走を誘導する浅い溝状構造を有するものが有利であること、また下顎頭はその前方移動運動を抑制しないような形態が望まれることから、正常解剖形態より小さいサイズがより適応する臨床知見を得た。 b.術後経過の観察-下顎頭の回転運動については可動範囲が小さく周囲組織の抵抗も少なく特に問題はなかったが、滑走運動については必ずしも満足が得られる状態ではなかった。このことから、より自然な機能の得られる下顎頭形態と術式への考慮が検討事項として明らかとなった。
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[Publications] 大西正俊: "顎関節症の治療と予後-観血的治療-" 日本歯科医学会誌. 13. 151-156 (1994)
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[Publications] 大月佳代子: "関節鏡視下円板縫合・固定術による習慣性顎関節脱臼の新たな治療法について" 日本顎関節学会雑誌. 6. 52-61 (1994)
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[Publications] 緒方宏明: "外耳道損傷を伴った下顎頭縦骨折の1例" 日本顎関節学会雑誌. 6. 208-214 (1994)
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[Publications] 大西正俊: "口腔外科/顎関節疾患" 国際医書出版, 8 (1994)