1994 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス関連因子を指標とした口腔癌の悪性度評価と癌治療への応用
Project/Area Number |
06454569
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小田島 哲世 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00177239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 敏一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30230634)
平塚 博義 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50165180)
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Keywords | アポトーシス / Nick end-labeling / 口腔扁平上皮癌 / 癌の悪性度 / 臨床病理学的因子 / 癌抑制遺伝子産物p53 / 核内増殖因子MIB-1 / 分子病理学 |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌79例から得られた生検癌組織におけるアポトーシスの発現をNick end-labbeling法を用いて検索し、各種の臨床病理学的悪性度因子や予後、化学療法効果、癌抑制遺伝子産物p53、核内増殖因子MIB-1との関係について検索した。アポトーシスは腫瘍の大きさ3cm以上の比較的大きな癌、顎部リンパ節転移陽性例、臨床病期の進行したStage III,IV例で発現する傾向が認められたが、必ずしも予後とは相関しなかった。またアポトーシスの発現は組織学的に癌の分化度、癌細胞の細胞異形度、癌細胞の核分裂指数とは相関しなかったが、癌の浸潤様式3型や、浸潤性の強い4型の癌に多く発現していた。しかしアポトーシスの発現と化学療法効果との関係は見られなかった。昨年度までの研究でp53ならびにMIB-1は口腔扁平上皮癌の重要な悪性度因子となりうることを明らかにした。アポトーシスの発現はp53陰性、MIB-1低発現例で低いのに対し、p53陽性、MIB-1高発現例で有意に高かった。以上より、アポトーシスの発現は口腔扁平上皮癌の予後や化学療法効果と相関しなかったが、既存の臨床病理学的な悪性度因子やp53、MIB-1の発現とは相関する傾向があり、アポトーシスが新しい悪性度因子として評価しうる可能性がある。 平成6年度に予定されていたアポトーシス関連遺伝産物の発現、in vitro細胞株を用いたアポトーシスの誘導、抗癌剤耐性細胞株の樹立に関しては、現在、プレオマイシン耐性株以外には抗癌剤耐性細胞株は未だ樹立されておらず、現在なお続行中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Odajima,T.,et al.: "Heat shock protein 27 serves as a differentiation marker in oral squamous cell carcinoma" Tumor Res. in press
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[Publications] 宮川 明、他: "口腔癌の潜在性頚部リンパ節転移に関する臨床的、病理組織学的研究" 札幌医誌.
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[Publications] Noguchi,M.,et al.: "Clinical significance of laminin deposition and T-cell infiltration in oral cancer" Head and Neck.
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[Publications] Hirata S.,et al.: "Significance of glutathione-S-transferase-π as a timor marker in patients with oral cancer" Cancer.
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[Publications] 平田 章二、他: "口腔癌の化学療法効果判定としての腫瘍マーカーGlutathione-S-transferase(GST)-π" 頭頸部腫瘍.
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[Publications] 京極 順二、他: "舌扁平上皮癌の術前化学療法効果-臨床効果と組織学的効果-" 癌と化学療法.